スプートニク日本
日露メディアフォーラムは、今年7月に当時の総務大臣・野田聖子氏がロシアを初訪問した際、コンスタンチン・ノスコフ大臣が提案したものだ。
開会の挨拶を行なった在ロシア日本国大使館の相木俊宏公使は、日露交流年である今年、初イベントを開催できたことが喜ばしいとの見解を示した。このフォーラムは、ロシアにおける日本年2018の公式行事となっている。
ロシアの著名なジャーナリストで、デジタル発展通信・マスコミ省のアレクセイ・ヴォーリン次官は、日本には、ロシアのマスコミ省に相当する政府機関がないが、これは問題にならないとし、「日本メディアとの関係を、コンテンツ交換にとどまらず、メディアリテラシー教育など様々な分野で深めていきたい」と述べた。
国営新聞「ロシア新聞」のエフゲーニー・アボフ副社長は、日本における新聞の信頼度の高さは特別なものがあると指摘し、ロシア新聞と毎日新聞が開催している日本・ロシアフォーラムについて紹介した。スプートニク日本も、日本語で読める数少ないロシア発の情報源として、プレゼンテーションを行なった。
日本側からは地方放送局の代表者や日本のコンテンツの海外販売を手がける専門家が参加し、日本の映像コンテンツの現状や特徴、需要について話した。
参加者のひとり、南海放送業務部長の松下和明氏は、2019年春に劇場公開される「ソローキンの見た桜」の制作秘話を紹介した。「ソローキンの見た桜」は、日露戦争で捕虜になったロシア人少尉と、日本人女性の愛の物語で、同名のラジオドラマがもとになっている。松山のロシア人墓地は、現在でも地元の人たちによって心をこめて手入れされており、ロシア人にとっての観光スポットにもなっている。
また、日本を代表するコンテンツであるアニメや、高品質な映像コンテンツを作るために必要な技術的設備についても話が及んだ。
モデレーターを務めたロシア・セヴォードニャ国際プロジェクトセンター長のワシーリー・プシコフ氏は「めったに会うことができない日本のメディア関係者と有意義な意見交換ができた。ぜひ2回目の開催を」と話している。