「地獄を止めてください!」アリーナ・ザギトワ選手に宛てた公開書簡

アリーナ・ザギトワ選手は、同選手とエフゲニア・メドベージェワ選手のファンによるネット戦争を止めるよう求める公開書簡を受け取った。スキャンダルを誘発したのは、オリンピック金メダリストで、フィギュアスケート・コーチのマキシム・トランコフ氏のインタビューだった。トランコフ氏は、ザギトワ選手のファンたちをうっかり傷つけてしまった。通信社スプートニクが、トランコフ氏の発言や、今回のスキャンダルに対するザギトワ選手の反応についてお伝えする。
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平昌五輪でフィギュアスケートファンたちは、金メダル有力候補だったメドベージェワ選手とザギトワ選手の「決闘」に注目した。勝ったのは、当時15歳だったザギトワ選手だった。だがメドベージェワ選手のファンたちは、新シーズンでメドベージェワ選手が自身の優位性を証明することを信じ続けている。両選手のファンたちはインターネット空間で互いに議論を戦わせ、時に礼を失することもある。

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フィギュアスケートGPシリーズ第5戦ロシア杯を前に、トランコフ氏はメドベージェワ選手とザギトワ選手についてコメントした。トランコフ氏の発言が、両選手のファンたちの新たな言い争いを引き起こしたのも驚くことではない。トランコフ氏は、メドベージェワ選手とザギトワ選手のライバル争いについて、平昌五輪では皆がメドベージェワ選手を応援したと指摘し、「オリンピックではすべての選手が、もちろんジェーニャ(メドベージェワ選手の愛称)を応援した。アリーナ(ザギトワ選手の愛称)のことは誰も応援しなかった。彼女はシニアへ移行したばかりのジュニアだった」とコメントした。

トランコフ氏は自身の発言について、メドベージェワ選手は当時、オリンピック・デビューに向けて数年間にわたって準備し、欧州選手権や世界選手権でメダルを獲得していたと説明した。トランコフ氏は、選手たちはそれがどんなに大変なことであるかを自身の経験で知っているため、メドベージェワ選手の勝利をことさら心配したと語った。一方、トランコフ氏は同インタビューで、ザギトワ選手は金メダルに値したとの確信を示し、「アリーナのプログラムは、ジャーニャよりも技術的にはるかに優れていた」と強調した。

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だがザギトワ選手のファンたちは、自分たちが応援するザギトワ選手に対するトランコフ氏の賞賛を無視した。そしてトランコフ氏は、死ね、癌になれ、お前も家族も殺す… など数多くの侮辱や脅迫を受けた。この出来事は、ジャーナリストのアレクサンドル・マカロフ氏が、スポーツ紙「スポーツデイリー」に公開書簡を掲載するほどまで深刻な事態に発展した。マカロフ氏は記事のタイトルで、ザギトワ選手に「起こっている地獄を止める」よう求めている。

マカロフ氏はザギトワ選手に、自身のファンたちに脅迫を止めるよう働きかけることを呼びかけている。マカロフ氏は、次のように訴えている-「あなたを本当に好きな人たちに、ネット上の誹謗中傷をやめるよう呼びかけてください。ネット戦争を止めてください。あなたはオリンピックチャンピオンであり、ロシアの財産であり誇りです。あなたが2018年のオリンピックでロシア初の金メダルを獲得した日は、実際に象徴的となりました。彼らがあなたに耳を傾けると信じたい」。

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なおザギトワ選手は、ロシア杯終了後の記者会見でスキャンダルについてコメントを求められた時、試合への準備に専念していたため、スキャンダルのことは一切知らなかったと答えた。またザギトワ選手は、トランコフ氏とは素晴らしい関係を築いていると強調した。

このスキャンダルが間もなく終わり、ファンたちが罵り合ったり、応援する選手のライバルを侮辱するのではなく、大好きな選手の応援に集中することを願うばかりだ。なぜなら選手たちは世の中から隔離された世界に住んでいるわけではなく、遅かれ早かれ選手たちにも情報が届き、このようなスキャンダルは選手たちにとって試合前に不要なストレスを引き起こすだけとなるからだ。

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ここからはスプートニクのメドベージェワ独占インタビューをご覧いただけます。

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