古生物学者ら、「シベリアのユニコーン」の骨を調査 初期人類の時代に生息

古生物学者らが初めて、「シベリアのユニコーン」として知られる先史時代の大型のサイ「シベリアのエラスモテリウム」のDNAを調査した。古生物学者らはまた、既に発見されていたこの種の化石化した23の骨片を収集し、これらの骨片を放射性炭素年代測定にかけた。今回の調査には、ロシアとオーストラリアの研究者らが参加した。研究者らによる調査の結果は、ネイチャー誌に掲載されている。
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今日まで現存しているサイの種の数は5種のみ。過去には、その数は約250種に上っていた。シベリアのエラスモテリウムは、現代のロシアやカザフスタン、モンゴル、中国に当たる地域の大草原に生息。その体は毛に覆われ、体重はおよそ3.5トン、額には長さが約1メートルの重い角を有していた。

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ネイチャー誌によると、研究者らはまた、シベリアのエラスモテリウムが現代のサイの近い親戚ではないということも明らかにした。エラスモテリウムと現代のサイの系統は4千万年前に分かれ、それ以降はそれぞれ独立して進化してきた。

今回の調査によって、この種の最も後期の個体が姿を消した時期について、最終氷期の終わり近くの約3万6千年前だったことが示された。この時代までに、人類は「シベリアのユニコーン」の生息地域に住みついている。つまり、「シベリアのユニコーン」が人類のそばで生きていた可能性があるのだ。ただ、恐らく、この種の絶滅に影響を及ぼしたのは、人間による要因ではなく、他ならぬ気候変動だったとみられている。

「シベリアのユニコーン」(イメージ)

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