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「辺野古県民投票の会」代表の元山仁士郎さんは、「沖縄の声がないがしろにされる姿勢が、改めてむき出しになった」と悔しさをにじませる。
沖縄の声を改めて明確にする手段として、来年2月24日に辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票が実施されることになっている。沖縄県民の有志グループは今年9月、県民投票の条例制定を請求。請求のために集まった署名は、必要数を大幅に上回る約9万3千人分だった。
今月発足した「辺野古埋め立て・新基地建設反対の民意を示す県民投票連絡会」の共同代表を務める照屋義実氏(県政策参与・照正組会長)は、投票の意義について「間接民主制の欠陥を補完する直接請求制度により制定された条例に基づくもので、辺野古埋め立てに対し、改めて民意を示します。賛成の人も反対の人もしっかり投票し、自分の意見を反映させるものです」と話す。投票は、埋め立てに「賛成」または「反対」の二択で行なわれる。
元山さん「沖縄県民がもっている一票の権利を、市町村議会で『剥奪する』という行為がなされるのではないかと危惧しています。私たちは、県民投票条例が制定されたら、投票に向けて映像を作ったり学習会を開くなど、投票を呼びかける行動を重点的にやりたいと思っていました。このように市議会で反対意見書が出されたり、予算を否決されるという事については想定していなかったので、残念に思っています。県民投票、投票事務を拒否するというのは、住民の声を本来大事にするべき議員が住民の声を聞かない、ないがしろにするということですから、議員自身の存在意義も危ぶまれるわけで、おかしなことが起きているのではないかと思います」
いっぽう照屋氏は、「市町村によって県民投票に対する温度差があるのは自然で、予期していた」としながらも、県民の意見表明の機会は保障されるべきだと主張する。
関係者は今後、県民投票にかかわる予算の動向について各市町村の議会の状況を注視していく。元山さんは、「否決の動きがある市町村の首長や議員に面談を申し入れていく予定です。年明けからは学習会やシンポジウムを通して投票を呼びかけていきます」と話している。