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安倍首相はホテルのチェックイン後、しばらくして世耕経済産業相を伴って階下のホールへと降りてきた。
ホテル側がリアノーボスチ通信に明らかにしたところによれば、安倍首相はカクテルの「シークレット・ゲスト」を注文した。このカクテルはウォッカをベースにリンゴジュース、シロップ、ブラックベリーのピュレーをミックスしたもの。
目の前にクレムリンの敷地が広がる歴史ある「メトロポール」にお泊りになった安倍首相。プーチン大統領との会談を前にロシアン・カクテル「秘密のお客様」のお味をどう評価したのだろうか?
安倍首相は1月21日、モスクワに到着した。安倍首相は以前、プーチン大統領との今回の交渉について胸襟を開いたものとなり、平和条約問題の進展が得られるだろうとの期待を表していた。両首脳が会談を行うのは今回で25回目だが、政治家、専門家らの声明では領土問題についてはまさに今、交渉の新たに活発な段階が開始される。
平和条約交渉を活発化させることについてはプーチン、安倍両首脳は2018年11月、シンガポールの会談で合意に達していた。
毎日新聞の報道では、日本政府は平和条約問題を話し合うため、今春に再度、安倍首相のロシア訪問を組織する意向を示している。毎日新聞は2月、ドイツで河野、ラブロフ両外相が会談を実施する可能性を指摘している。
ロシアと日本の間にはすでに70年以上も平和条約が存在しておらず、日本は1855年に結ばれた日露通交条約に基づいて国後、択捉、色丹、そして歯舞群島を要求している。1956年、ソ連と日本は共同宣言に署名。その中でソ連は、日本との平和条約が締結した後に、日本へ歯舞と色丹を引き渡す可能性を検討することに同意している。国後・択捉の扱いについてはそこでは触れられていない。しかしソ連は、1960年に日本が米国と日米安全保障条約を締結した後に、日ソ共同宣言での約束を拒否した。その後に行なわれた協議の数々はどんな結果ももたらさず、第二次大戦終結にからんだ平和条約が締結されることはなかった。ロシアの立場は、島々は第二次世界大戦の結果としてソ連領になったのであり、ロシアがこれらの島々に対して主権を有していることは疑いがないというものだ。