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会談はほぼ全て非公開で行われた。プーチン大統領と安倍首相の短い冒頭の挨拶のあとは、記者団を抜いた交渉に入った。会談冒頭、両首脳は「君」と呼び合い親しげに会話を交わした。その上で、露日関係のすべての面を協議する用意があると述べた。安倍首相はまた、平和条約締結問題について「しっかりと議論をしたい」と語った。
プーチン大統領は、合意の条件が両国の国民に受け入れられ、国民の支持を得なければならないと強調した。
さらに、プーチン大統領は、今回の会談で両国の貿易額を1.5倍増やして300億ドル(約3兆円)にすることが可能だとわかったと述べた。
両国の外相は2月に平和条約締結交渉を新たに行うよう指示された。安倍首相によると、外相会談はミュンヘンで行われる可能性がある。
安倍首相は会談を終えて、両首脳がクリル諸島での共同経済活動に関する措置を実行するよう指示を出したと述べた。
安倍首相は22日午後、訪露を終えてモスクワを後にする。
ロシアと日本の間にはすでに70年以上も平和条約が存在しておらず、日本は1855年に結ばれた日露通交条約に基づいて国後、択捉、色丹、そして歯舞群島を要求している。1956年、ソ連と日本は共同宣言に署名。その中でソ連は、日本との平和条約が締結した後に、日本へ歯舞と色丹を引き渡す可能性を検討することに同意している。国後・択捉の扱いについてはそこでは触れられていない。しかしソ連は、1960年に日本が米国と日米安全保障条約を締結した後に、日ソ共同宣言での約束を拒否した。その後に行なわれた協議の数々はどんな結果ももたらさず、第二次大戦終結にからんだ平和条約が締結されることはなかった。ロシアの立場は、島々は第二次世界大戦の結果としてソ連領になったのであり、ロシアがこれらの島々に対して主権を有していることは疑いがないというものだ。