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今年のサンボ選手権大会では70人の選手が優勝を争った。メダルに加え、突出した選手はプーチン大統領のクリスタルカップと次の大会への出場権を手に入れた。賞を授与したのはロシアのガルージン駐日大使。
男子の部で優勝した馬場元気選手は、ソ連生まれの格闘技「サンボ」を始めたのがわずか2年前だと明かした。その上で「優勝は当たり前のことではないと思います。しっかり練習してきて取れたものだと思います」と述べた。馬場選手は昨年、サンボ世界選手権に出場するためロシア・ソチを訪れたとして「日本と町並みが違って、すごくいい街でした」と振り返った。
女子の部で優勝した楠本佳子選手もまたロシアを訪れた経験がある。「ウラジオストクの女子サンボチーム『アマゾンカ』と一緒に練習しました。すごく刺激を受けて、サンボって良いなと思いました」と語った。楠本選手は9年間大会に出場し、今回初めて優勝したとして「初めて勝てた試合なので、とても感慨深く、嬉しいです」と喜びを示した。
サンボは1930年代、軍の訓練のためソ連で考案された格闘技。日本で人気が高まったのは70年代。プーチン大統領杯は2013年、プーチン大統領と国際サンボ連盟のワシーリー・シェストコフ会長、山下泰裕氏の尽力により日本で設立された。
日本サンボ連盟の浅井信幸副会長が語るところ、シェストコフ会長は当時露カザンで開催するユニバーシアードのサンボに、日本のチームも参加するよう提案。山下氏は「私は柔道家です。サンボのために何が出来るかはわかりません。でも柔道家の山下泰裕が日本でロシアの国技サンボを普及発展し、ユニバーシアードに強いチームを派遣することによって日露善隣関係が少しでも発展したら、私は出来る限りのことをします」と答えた。それ以来、日本で毎年プーチン大統領杯が行われている。浅井氏は「私は、ただ単のスポーツの大会ではなく、プーチン大統領のお名前を冠するこの大会が日露善隣関係の1つのシンボルになってもらいたいと強く思っています」と期待を寄せた。