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ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのワレリー・キスタノフ所長は、日本では所謂「ヘイトスピーチ」の問題が在日朝鮮人に対して存在するとの見方を示している。今回の反北朝鮮デモの「引き金」となったのは、成果なしで終わった米朝首脳会談だった。
キスタノフ氏は通信社スプートニクのインタビューで次のように語った。
「日本の当局者は、在日朝鮮人に対して時折多くのネガティブな発言をしており、それが過激な民族主義的見解の形成を促進している。しかし今回の状況では、トランプ大統領と金正恩氏の会談に期待されていた朝鮮半島の緊張緩和で進展が見られなかったことが反朝感情の新たな高まりの原因となった。トランプ氏は日本の利益を害する譲歩をしなかったため、日本政府は会談結果に幾分肯定的な見方を示している。しかし一部の日本人は、会談で成果がなかったことに失望している。それはまず1960年代から80年代に北朝鮮の工作員によって拉致された日本人被害者の家族だ。なぜなら拉致問題の解決が再び無期限延期となるからだ。デモには原爆被害者団体のメンバーも参加したのではないかと思われる。彼らは核兵器に反対する活動を活発に行っており、今回も朝鮮半島の軍縮に向けた前向きな措置が一切講じられなかったことに失望している。」