スプートニク日本
慶南大学・極東問題研究所の金東葉教授はスプートニクに対し、「3月1日の祝日を祝う共同行事への参加を北が拒否することは予想されていた。南と北では、独立運動の役割に対する見方がかなり大きく異なっており、両国の立場を近づけることは困難だ」と述べ、「だが仮に、日本が米国の官僚の立場を堅持し続けるならば、北朝鮮政府にとって日本政府との何らかの交渉に入る必要性は全く生じない」と指摘している。
金教授は、「日本は恐らく、2回目の米朝首脳会談が成功した場合に、北に対する南の、そして北朝鮮に対する米国の関係改善に満足することはないだろう。さらに、北朝鮮と米国による合意が実行されないよう、あらゆる手段を尽くしていくと思われる。それゆえ北朝鮮は、対話を開始するよう求める日本のあらゆる要求に対し、黙殺する、あるいは拒否を以て対応する確率が高い」と述べている。
日本政府は、拉致された日本人らの問題を解決することを目的に、経済支援を利用しようと試みたり、北朝鮮と共同で首脳会談を実施することを提案したりする可能性がある。しかし、北朝鮮政府内では、そのような提案は大きな疑いを以て受け取られるだろうと、金教授は考えている。
それでもなお、別の観点も存在する。だがこの観点も、朝鮮半島の国々に対する日本の関係が間もなく軌道に乗り得るとする楽観主義を付け加えるものではない。
世宗研究所の李勉雨・首席研究委員はスプートニクに対し、「北朝鮮と日本の間の対話には、複数の深刻な問題が存在しているが、私の意見では、この対話が良い形で進んでいくとみている。私を心配させている唯一のことは、韓日関係の現在の状態を考慮に入れる韓国が、この対話の進展を促すことができるかということだ」と述べている。
しかし、たとえ日本政府が韓国政府との関係を軌道に乗せたとしても、北朝鮮が南側からの自らの同胞による呼びかけに耳を傾けるということでは全くない。というのも、北朝鮮政府内では、韓国ではなく他ならぬ北朝鮮こそが独立国家としての真の合法性を有しており、日本との交渉については、必要であると自分たちが考える形で行っていく権利が自分たちにはあるとする伝統的な理解が支配的だからだ。そのため、交渉における北朝鮮の立場が強まるにつれ、北朝鮮とも、韓国とも、関係を改善することは日本にとってますます困難になるだろう。
関連ニュース