「サイバー攻撃の大波、日本国内で予想」 対サイバーテロ同盟創設に向けた政府のイニシアティブ、専門家が論評

日本政府は、サイバーテロリズムに対抗するための多国間同盟を創設する意向だ。この同盟への加入を求める提案は今後、米国やインド、オーストラリアのほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の各政府に送付される。日本政府はまた、この構想へのロシアと中国の参加についても重要であると考えている。日経アジアンレビュー誌が伝えた。
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スプートニク日本

サイバー安全保障の問題だけでなく、他の多くのことについても相互理解を見出すことができない国々を、日本は普遍的な悪との戦いにおいて団結させることができるのだろうか。

対日サイバー攻撃、最多が露中両国内から 2018年 共同通信報道
このような国際的機構を創設することの必要性について、日本政府では以下のことを根拠としている。強力なサイバー攻撃が行われた場合、いずれかの国が仮想敵国に対し報復攻撃を行い、これが国民間の信頼に損害を与え、さらには軍事紛争すら招く可能性があるというのだ。具体的提案と行動計画については今年8月、26の国々と欧州連合(EU)を束ねるASEAN地域フォーラム(ARF)の安全保障会合で提示されるとみられている。

情報技術(IT)分野をリードする複数のロシア企業が加盟するコンソーシアム「インフォ・ルス」のアンドレイ・マサロヴィチ会長は、スプートニクとのインタビューで、この問題が全ての国々に及ぶものであるにもかかわらず、他ならぬ日本が今回のイニシアティブを提唱したのは偶然ではないとして、次のように述べている。「この問題は既にかなり以前から機が熟しており、差し迫ったものとなっている。サイバー攻撃は、国家や金融、銀行、エネルギーなどに関わる死活的に重要な機構に脅威を与える可能性があり、このような攻撃に対して安全を保障されている国家は一つもない。ベネズエラで現在起きている『ブラックアウト(広域停電)』が、集中的なサイバー攻撃の結果である可能性も排除できない。日本では五輪競技大会が目前に迫っており、その直前の時期である現在、日本国内ではサイバー空間を考慮に入れて、自分たちの安全が守られているとは感じていない。このことについては、私が日本に滞在した時に日本側の同僚たちと話をした。同僚たちはサイバー攻撃の大波を予想しており、彼らの危惧は正当かつ非常に深刻なものだ。それゆえ、今回のような同盟が、IT分野が急激に発展しつつある他ならぬアジアで創設されることは、驚くべきことではないのだ」

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サイバーテロについて共同で対策を講じる構想が提唱されるのは、決して初めてのことではない。しかし、サイバー空間のための共通の行動基準を作成しようとする試みは、現在に至るまで失敗に終わってきた。マサロヴィチ会長の見解では、危険性を認識することで、この悪との戦いにおいて団結することの必要性を各国が理解することになるという。「第一歩として、サイバー攻撃に関する情報を国家間で迅速に交換するシステムの創設が提案されているのは、非常に正しいことだ。また、決定的に重要なインフラを保護するための共同研究を実施すると同時に、システムのハッキングが行われた先行事例を分析し、このような攻撃との戦いに向けた共同訓練を実施することは、目的にかなっている。一方、サイバー空間における何らかの共通の規定や基準を作成する構想や、サイバー安全保障に関する法律の一元化、関係するシステムとテクノロジーの共同開発は、複数の国による多少の抵抗に遭っている。だが、これらの措置をとるのは不可欠なことだ。私は、ロシアがこのような同盟に加わると確信している。というのも、ITの発展と普及につれて、サイバーテロの脅威は今後、増大していくからだ。これに対抗していくことは、効果的な国際協力によってのみ可能なのだ」

マサロヴィチ会長の見解によると、情報インフラの発展や国の電子化の水準とサイバー攻撃の件数の間には、直接的な依存関係が存在するという。サイバーテロの問題は、衛星通信システムと世界的ネットワークシステムの利用においてリードする存在となっている国々にとって、特に切実なものだ。だが、より深く見てみると、サイバーテロは、有効性の面で大量破壊兵器と比較できるほどの、人類全体にとっての深刻な脅威なのである。

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