ロシア人訪日ビジネス研修生、日本の印象を語る「カイゼンの継続は日本人の謙虚さのおかげ」

15日、モスクワの日本大使館で、訪日ビジネス研修生が一堂に会する「フォローアップセミナー」が行なわれた。日本センター(貿易経済交流発展のための日本センター)は日露間の政府合意に基づき、若手のロシア人経営者を研修生として毎年日本へ派遣している。訪日研修生の多くは、ロシアの国家プロジェクト「企業経営者養成計画大統領プログラム」を優秀な成績で修了した人々だ。
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研修生の中には、自分でビジネスを立ち上げた人もいれば、地域で中小企業を支援する立場の人もいる。参加者の業種も、IT関係や不動産、ホテル経営、町のパン屋さんなど、多岐にわたっている。スプートニクは彼らに、日本の研修で印象に残ったことを聞いてみた。

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ケメロヴォ州でがん診断センターを経営しているセルゲイ・ミロノフさんは、2017年夏にカイゼン(サービス業)の巡回講座に参加し、好成績をおさめた。訪日前には、研修を少しでも実りあるものにするよう、日本語も勉強した。ロシアでは、医療はあくまで治療行為という考えが強く、患者に対するサービス精神はない。ミロノフさんは「医療にもサービスという概念を導入すべきです。当院では日本で得た知識をもとにサービスのカイゼンを行い、今では国公立病院と遜色ないレベルにまで競争力がついてきました」と成果を発表した。

カルーガ州ビジネス発展エージェンシーのマーケティング部長、イリーナ・ハヴシロワさんは、「地域経済活性化」をテーマにした2018年度の研修に参加。日本のアンテナショップを参考に、一週間ごとに州内の各地域の名産品を中央市場で紹介できる仕組みを作った。ハヴシロワさんは「日本では他にもたくさんのヒントを得たので、ロシアの実態に合わせて順次導入していきます」と意欲を見せている。

イリーナ・ハヴシロワさん(左)カルーガの企業経営者養成委員会地方課長と

レニングラード州人材センター長のエフゲーニー・ヤブロコフさんも、今年度の「地域経済活性化」研修に参加した。日本がすっかり気に入ったヤブロコフさんは、間もなくプライベートで友人と日本へ行く予定だ。

ヤブロコフさん「日本へ行ってわかったのは、日本人は慎み深く謙虚な民族だということ。謙虚さというのはリソースであり、非常に大事なものです。謙虚だからこそ自己宣伝に時間を使わずに、より効率や効果を追い求め、一人の人間としても、会社の一員としても、カイゼンを続けていけるのでしょう。日本ではみんな、他の人が快適に過ごすためにはどうしたらよいか考えています。顔を合わせたことがない人に対してもです。もし隣人にとって快適なら、その隣人も自分のことを考えてくれます。こういう考え方がとても好きです。ロシア人は感情的で陽気な民族ですが、ロシア人は日本人を見習ってもっと謙虚になった方がいいと思います」

エフゲーニー・ヤブロコフさん

ほかの参加者からも「日本人の勤勉さを肌で感じることで、日本の経験を受け入れたいという気持ちになった」との声が聞かれた。研修生の多くはビジネスのヒントを得ただけでなく、ヨーロッパ人と全く違う日本人のメンタリティや仕事への姿勢が印象に残ったようだ。

フォローアップセミナーでは2019年度訪日研修生の選抜方法などが説明された。2019年度も、これまでと同数程度の研修生を受け入れる予定だ。

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