スプートニク日本
研修生の中には、自分でビジネスを立ち上げた人もいれば、地域で中小企業を支援する立場の人もいる。参加者の業種も、IT関係や不動産、ホテル経営、町のパン屋さんなど、多岐にわたっている。スプートニクは彼らに、日本の研修で印象に残ったことを聞いてみた。
カルーガ州ビジネス発展エージェンシーのマーケティング部長、イリーナ・ハヴシロワさんは、「地域経済活性化」をテーマにした2018年度の研修に参加。日本のアンテナショップを参考に、一週間ごとに州内の各地域の名産品を中央市場で紹介できる仕組みを作った。ハヴシロワさんは「日本では他にもたくさんのヒントを得たので、ロシアの実態に合わせて順次導入していきます」と意欲を見せている。
レニングラード州人材センター長のエフゲーニー・ヤブロコフさんも、今年度の「地域経済活性化」研修に参加した。日本がすっかり気に入ったヤブロコフさんは、間もなくプライベートで友人と日本へ行く予定だ。
ヤブロコフさん「日本へ行ってわかったのは、日本人は慎み深く謙虚な民族だということ。謙虚さというのはリソースであり、非常に大事なものです。謙虚だからこそ自己宣伝に時間を使わずに、より効率や効果を追い求め、一人の人間としても、会社の一員としても、カイゼンを続けていけるのでしょう。日本ではみんな、他の人が快適に過ごすためにはどうしたらよいか考えています。顔を合わせたことがない人に対してもです。もし隣人にとって快適なら、その隣人も自分のことを考えてくれます。こういう考え方がとても好きです。ロシア人は感情的で陽気な民族ですが、ロシア人は日本人を見習ってもっと謙虚になった方がいいと思います」
ほかの参加者からも「日本人の勤勉さを肌で感じることで、日本の経験を受け入れたいという気持ちになった」との声が聞かれた。研修生の多くはビジネスのヒントを得ただけでなく、ヨーロッパ人と全く違う日本人のメンタリティや仕事への姿勢が印象に残ったようだ。
フォローアップセミナーでは2019年度訪日研修生の選抜方法などが説明された。2019年度も、これまでと同数程度の研修生を受け入れる予定だ。
関連ニュース