日本の最新鋭巡航ミサイルはロシアに届くか?

日本政府は射程400kmの国産巡航ミサイルを開発する方針を固めた。2017年に開発を完了した超音速の国産対艦ミサイル「ASM3」をベースに設計する。ASM3の射程はわずか100km程度だった。スプートニクは軍事専門家に話を伺い、平和憲法を持つ日本の防衛コンセプトにおいて100kmが有効ではないと考えられ、射程を4倍に伸ばす決定が取られた理由を明らかにした。
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読売新聞によると、防衛省は、国産の最新鋭巡航ミサイルの研究開発費を2020年度予算案に計上したい。同省はその上で、仮想敵の防空システムの範囲外でのミサイル発射を想定していると強調した。

防衛省が性能の中でも、この点を強調した理由について、防空システム部隊博物館の館長で軍事史家のユーリ・クヌトフ氏がスプートニクに解説した。

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「『防空システム射程外から』とのフレーズは、ミサイルが敵に対して実質的にぜい弱性を持たないことを意味する。弾道ミサイルと違い、巡航ミサイルは低空飛行が可能で、これは迅速な探知を難しくする。ここに巡航ミサイルの価値があり、日本政府がこうした兵器を得たい願いもここにある」

米国の陸上型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」をまもなく導入する日本の隣国であるロシアも、これは見過ごせない。国産巡航ミサイル開発はおそらく、米国の同意も得ているだろうとクヌトフ氏は指摘する。

「これはロシアにとっての懸念事項だ。東京は米国の戦略的同盟国であるからだ。米国でも、こうした最新鋭の中距離巡航ミサイルを4月に、短距離巡航ミサイルを11月にテストする。つまり、米国は中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱前にこうした兵器の開発を進めていた。近いうちにミサイルを完成させるだけで、2、3の管理試験を通せば、もう軍に配備される。日本の巡航ミサイルが米国の兵器と統合して使われることを疑う人はいない。また、ホワイトハウスの極東政策は、中国抑制だけでなく、ロシアに『圧力を加える』ことにある。何よりもそれは、アジアにおける米国の強力な軍事プレゼンスによって行われる」

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アジアにおける日本の防衛計画の大綱は、米軍が外国による攻撃からの安全を保障することを見込んでいる。無数の在日米軍基地は1957年から正式に日本を拠点としている。

だが日本は現在、北朝鮮や中国を射程圏内に置く国産巡航ミサイルを開発している。その射程距離は日本が領有権を主張するクリル諸島(北方領土)にも届く。それどころかロシアの大陸部、ロシア太平洋艦隊が拠点を置くウラジオストクにも届き得る。クヌトフ氏はミサイル開発と日本の平和主義の関係を指摘する。

「巡航ミサイルは攻撃兵器だ。日本による開発は事実上、日本の平和憲法の防衛計画の大綱からの退行を意味する。攻撃兵器は防衛目的よりもむしろ、予防攻撃に用いられるためだ」

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