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日本の急速な人口減少の主な原因について、政策研究大学院大学の 松谷明彦名誉教授は出生率の低さではなく、 死亡者数の増加にあると見ている。松谷教授は、 かつて第2次世界大戦前、戦時期の要請から出生率の急増が引き起 こされたことを指摘し、この時期に生まれた人々が今、老齢に達し 、亡くなっていることから死亡者数が増加していると分析している 。
人口統計学者たちの予測では、 日本の死亡率の水準は人口の高齢化から徐々に増大していき、 2030年までにピークを迎える。人口数はその後も、少子化傾向 から減少が続いていく。こうして100年後には、 日本の人口は5千万人まで減少し、20世紀初頭の水準に戻る。
特に農村部での人口減少は激しい。それでなくとも農村部は都市部 への人口流出が高い水準にある。たとえば、 青森県や秋田県の人口は毎年1%の割合で減少している。 多くの村落では実際、70歳以下の若い住民は残っていない。国立 社会保障・人口問題研究所は、今世紀中ごろまでに日本の人口は毎 年約90万人減少すると予測している。人口90万人といえば、 英国のグラスゴー市の人口に匹敵する。
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