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フェスティバルを主催した在サンクトペテルブルク日本国総領事館によれば、ここ数年でサンクトペテルブルクと交流したいという日本の地方都市は増加しており、ペテルブルク当局もこれを歓迎しているという。
関係者は「サンクトペテルブルクには、日本語が学べる83番学校などの公立教育機関もあり、日本語教育・日本そのものへの関心も高い。ここでの日本文化の紹介のチャンスは大きい」と話す。
フェスティバルはビジネスセミナーと日露観光セミナー、および一般向けの文化・観光フェアの3本立て。ビジネスセミナーは、テクノパークでのピッチコンテスト、日本の地方の食の魅力セミナー、都市インフラセミナーの3分野で行なわれた。このうち地方食の魅力セミナーを企画運営したジェトロ・サンクトペテルブルク事務所の一瀬友太所長によれば、試食や商談、食品業界関係者訪問などを通し、地方産品を売り込むための密度の濃い話し合いができたという。
日露観光セミナーでは、岐阜県、沖縄県、札幌市、酒田市の観光地としての魅力と文化の紹介が行なわれたとともに、サンクトペテルブルクの魅力を世界に発信する「Visit Petersburg」の東京事務所開設が発表された。
フェスティバルの目玉「文化・観光フェア」は市内の大型ショッピングセンターで開かれ、家族連れを中心に大にぎわいとなった。
ステージでは沖縄県「琉球チムドン楽団」、酒田市の「酒田舞娘」、北海道のあしり座による「人形浄瑠璃」といった様々なパフォーマンスが披露された。人形浄瑠璃は、一人目が頭と右手、二人目が左手、三人目が両足というように、三人で一体の人形を動かす。実演では、三人の見事なコンビネーションに喝采が送られた。市民の間で劇場文化が根付くロシアでは、人形劇はメジャーな娯楽であるため、「日本版」の人形劇は特に関心を集めることとなった。
ロシアは国土は広いが、地域ごとの名物は少なく、食の多様性がないので、「日本は小さな国なのに、たくさんの種類の食べ物があることにびっくり」という声が聞かれた。
6月にはG 20開催に伴うプーチン露大統領の大阪訪問にあわせ、日露交流年の閉会式が行なわれる。「締め」となった大イベントを振り返り、在サンクトペテルブルク日本国総領事館の担当者は、「今回は、岐阜や沖縄など、これまでサンクトペテルブルクとの関係がそれほど盛んではなかったような地方から参加を得られた点が大きな収穫だと考えています。今回参加した8地域のサンクトペテルブルクとの様々な分野における地域交流が具体化するよう、当館として引き続きフォローをしていきたいと考えています。サンクトペテルブルクは、文化、観光、経済のポテンシャルの高い都市であり、今後も、サンクトとの交流に関心をもっていただけるような新たな地方自治体の発掘に取り組んでいきたいと考えています」と話している。
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