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論評では「『他の条約参加諸国が違反している』CTBTにとどまることが可能だとは考えないとの米政権による声明について、予想する必要が近いうちに生じる公算が大きい」としている。同省の見解によれば、米国は中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱した際の自国の行動を事実上完全に繰り返しているという。
米国防総省の情報機関である国防情報局(DIA)は13日、核爆発を伴う核実験をロシアが実施しているとする声明を発表。5月29日には、DIAのアシュリー長官が同様の推測について述べている。これに対しロシアは、CTBTを尊重して堅持されてきた核実験のモラトリアム(一時停止)に同国が違反していると非難する主張について、その内容を否定。
同条約に基づき設置された包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会も、アシュリー長官の発言に対し、同委の国際監視システムが何の異常も記録していないと発表している。
CTBTは核爆発を伴う核実験を禁止する国際条約で、1996年に国連総会で採択。露米両国や日本を含め数多くの国が署名しているが、米国など一部の発効要件国が批准していないため発効していない(露日両国は批准済み)。一方で、露米両国など核保有国の多くは、核爆発を伴う核実験について、CTBTを尊重し自主的にモラトリアムを堅持しているとされる。