シェールオイル生産副産物が温室効果を高めている=研究調査

米国の環境学者ロバート・ハワード氏は、米国とカナダがシェールオイル生産時に用いている水圧破砕法は、大量のメタンを空気中に放出し、二酸化炭素よりも大きな温室効果をもつことを発見した。
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シェールオイル生産は安価で破壊的

シェールオイルは地下深部にあり、採掘にはオイル層岩盤を水で破砕する技術が用いられる。強力ポンプステーションにより高圧で水、砂、化学物質の混合物を掘削井に注入する。

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結果、オイル層は破砕され、形成された亀裂から表面にガスが押し出され、石油も「絞り出される」。水圧破砕法で使用される化学物質は飲料水源に入り、近郊の住民や動物の疾病リスクの増大を招いている。

 そう、シェールオイル生産はより効率が高く、比較的コストも低い。作業後の掘削現場は原子力災害現場を思い出させ、環境災害区域となる。

メタン シェールオイル生産の副産物?

研究者らは、空気中のメタン濃度は20世紀の後半数十年で急激に増加し、その後増加はストップしたと指摘する。新たな転換期は2008年から2014年の間で、アメリカとカナダがシェールオイル・ガスの生産を活発化した頃だ。

まさにこのような観察が、ハワード氏が強力な温室効果ガスとしてのシェールオイル生産に注目するきっかけとなったのである。

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学術誌Biogeosciencesに掲載された論文によると、ロバート・ハワード氏は、21世紀に空気中に放出されたメタンは、地球の生物圏により自然に生産される量を超えており、その2/3はシェール資源生産によるものだと結論付けている。

アメリカはシェール生産大国

2005年から2015年にかけて、水圧破砕法による世界のシェールオイル生産量は、310億立法メートルから4350億立法メートルに増加した。そのうち89%をアメリカ、10%をカナダが占めている。米国エネルギー省は、2040年までに同国シェールオイル生産量は、年間1500億立方メートルまで増加すると予測している。

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