CNNの情報筋によると、米国当局には、ロシア政府内にこれほどの貴重な情報提供者は他にいなかったという。
エージェントの存在は入念に隠されており、その人物は長年アメリカの諜報活動をしていた。
CNNは、その「エージェント」のロシア出国決定は、トランプ大統領とその側近が機密情報を不注意に扱うことを懸念して行なわれたと伝えている。
2017年5月10日、トランプ大統領はホワイトハウスにおいてロシアのセルゲイ・ラブロフ外相を迎えた。この会談は米国メディアの様々な反応を呼んだ。トランプ氏の反対勢力は、トランプ氏がロシア側にシリア「イスラム国」の活動に関する機密情報を提供したと嫌疑をかけている。
脱出作戦がどのように行われ、元エージェントが現在どこにいるかは、CNNでは把握していない。NBCによると、その人物は米国政府の保護下にあり、ワシントン近くで暮らしているとのことだ。
CIAでは、CNNの情報を「誤報」としている。ドナルド・トランプ米国大統領は後に、ロシア国内の「アメリカ人情報提供者」の話については、知らないと発言した。ホワイトハウス報道官のステファニー・グリシェム氏はCNNに対し、CNNの情報は事実に合致していないと語った。
ロシア上院(連邦会議)国防委員会のフランツ・クリンツェヴィチ委員は、この話に関して、明らかなフェイクであるとコメントしている。
ロシアの日刊全国紙「コメルサント」は、インスタントメッセージシステム「テレグラム」(テレグラムでは定期的に様々な情報「リーク」がある)をもとに、「情報提供者」はロシア大統領府職員のオレグ・スモレンコフではないかと伝えている。スモレンコフ氏は2017年6月14日、家族と共に休暇でモンテネグロに出発し、消息を絶った。捜査グループおよびロシア連邦保安庁(FSB)は、スモレンコフ氏と家族は生きており、他国にいることを確認している。
「コメルサント」紙は、オレグ・スモレンコフらしき人物がヴァージニア州(ワシントン隣接)で不動産を購入した情報を紹介している。