民主党のバイデン氏は現在、次期大統領選挙でトランプ氏の最有力ライバル候補と目されている。
トランプ氏はこれを拒否し、この話はねつ造で、その息子がウクライナの汚職に関与しているとみられるバイデン氏をかばうものとの考えを示している。
ゼレンスキー氏もトランプ氏からは圧力を行使されたことはないと、この話を否定している。
米国での弾劾手続き
米憲法によれば、米大統領は「国家反逆、収賄罪又はその他の重罪及び軽罪」の有罪判決を受けた場合、弾劾される。
弾劾決議が採択されるには下院435議席の過半数が票を投じねばならない。下院が弾劾決議を承認し、上院の承認に回された場合、大統領を訴追するには100人の議員による上院では3分の2の票が集まらなければならない。これが成立しなければ大統領は留任する。
フォーブス誌によれば、下院435議席中、民主党は235議席を、199議席が共和党で残る1議席は無所属。こうなると民主党が一致団結して大統領を弾劾しようとした場合、十分な票数は集まる仕組み。
上院の過半数は共和党によって占められている。53議席が共和党で45議席が民主党。2人の議員は無所属。しかも弾劾を実現するには単に過半数の票ではなく、3分の2にあたる67票を集めねばならない。つまりはトランプ氏を弾劾するには少なくとも20人の共和党議員が票を投じる必要がある。
フォーブス誌は、米国の政治史では大統領の弾劾が成立した後、退陣した例はないと指摘している。
2019年1月より米下院では民主党議員が大半を占めており、米上院では逆に共和党の天下となっている。