これまでに伝えられたとおり、この納入条件の変更は、サウジアラムコの施設へのドローン攻撃がサウジアラビアの石油生産量をほぼ半分に削減させたことに関連しており、これはサウジアラビアのエネルギー産業の核心部に衝撃を与えた。ブルームバーグが伝えた。これを背景に世界の石油価格はすでに堅調な上昇を見せている。
アナリティカル雑誌『エクスペルト』の国際解説員であるセルゲイ・マヌコフ氏によると、日本では、この状況が年末までにガソリン価格の上昇を誘発する可能性があるという。「石油価格の上昇はインフレを誘発することが少なくなく、自動車産業はドイツと同様に、日本経済の推進力のひとつです。サウジアラビアは石油の出荷停止を起こさないように、信頼できるサプライヤーとしての評判に傷をつけないように努力しています。しかし、たった一回のドローン攻撃が油井だけでなく、石油産業インフラにも被害をもたらし、サウジアラビアの石油生産量に大きな影響を与えたことを考えると、この状況が日本を不安にさせる可能性はあります。」
重質油としての原油は価格も安いかわりに、望ましくない不純物が含まれており、追加的な精製が必要になるため、加工も難しい。そのため、重質油の価値はかなり低い。
インスタント・インベスト社のアナリティカル部門トップのアレクサンドル・ティモフェエフ氏もまた、現状に特に不安要素はないと考えている。「サウジアラビアは石油の納入を機動的に回復させると約束しました。そのため、いずれにせよ、現状は一時的なものだと考えるべきでしょう。もちろん、燃料価格が上昇すれば、それは日本のサプライチェーンにも影響を与えますが、ボラティリティが急激に大きくなることはないと考えるべきでしょう。」
ロシアもUAEと同様に、必要とあらば、サウジアラビアから日本への原油供給不足を補填することができるかもしれない。しかし、ロシアの専門家はこの点について慎重で懐疑的な発言をしている。「日本は、政治的決定やアメリカとの戦略的同盟関係によって決まるエネルギー安全保障政策を優先しています。これが、日本のエネルギー資源市場においてロシアのシェアが大きく増えるとは考えにくい理由のひとつです。このほか、政治的側面以外にも、技術的な問題もあります。石油輸出にはパイプラインの輸送能力と長期契約という制約があるため、日本市場に回せるだけの余裕がロシアにどれほどあるのかは不明です。」
日本は石油の80%を中東諸国からの輸入している。そのうちの約半分がサウジアラビアからの輸入である。