防衛白書は、「ロシアは北極圏、欧州、米国周辺、中東に加え、極東においても軍事活動を活発化させる傾向にあり、その動向を注視していく必要がある」と考察しており、航空機については「18(平成30)年度のロシア機への対応に要したスクランブル回数は前年度を下回ったものの、18(平成30)年9月にTu-142哨戒機によるわが国への周回飛行が行われるなど、引き続き活発」と指摘している。
また日本の主張する「北方領土」でのロシアの沿岸防衛システム構築についても、マツア(松輪)島及び千 島列島北部に位置するパラムシル(幌筵)島への基 地建設と地対艦ミサイル「バル」、「バスチオン」の配備計画を指摘し、「北方領土及 び千島列島全体にわたる沿岸防衛システム構築に 向けた動きとして注目する必要がある」と記述している。
さらに2018年9月に東部軍管区において行われた軍事演習「ヴォストーク2018」についても取り上げ、「1981(昭和56)年以来最大」とされる展開部隊の規模の大きさ、中国、モンゴルが参加した点が大きな特徴と指摘された。
こうした一方で、国防分野でロシアとの協力が拡大していることも指摘されており、2018年7月、日本の防衛大臣の初のロシア訪問が行われ、2+2形式で国防、外務大臣らの会談が実施され、その第2弾が今年5月にも行われたと書かれた。
27日、防衛白書は閣議に提出されている。
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