モスクワのエトセトラ劇場でチェーホフの小説が舞台化

ロシア演劇の名優アレクサンドル・カリャーギン率いるモスクワのエトセトラ劇場で9日、チェーホフの短編小説「わが生活」が舞台化され、初演を迎えた。国内の演劇祭で最優秀演出家に選ばれたこともあるエゴール・ラヴィンスキーが演出を手掛けた。
この記事をSputnikで読む

オノ・ヨーコと日本のロシア文学者たちを育てたワルワーラ・ブブノワ:その日本時代を扱った個展を訪問
小説の主人公は「ミサイル」という風変わりな名前の貴族男性。ミサイルは自分の凡庸さを強く感じているものの、人生の意味を見つけるため新しい生活に着手する。ミサイルは貴族のプライドを捨て、塗装工として肉体労働に励む。

ミサイルが身を置いた田舎町では大変な話題となる。ミサイルの姿を軽蔑するもの、逆に偉人としてあがめるもの、交際を希望する淑女たち、さらには大富豪の娘マーシャはミサイルと結婚し、「より素晴らしい世界に作り替えよう」と夢を描く。

作家のチェーホフは誰も裁くことなく、田舎町の現実をありのままに提示しようとした。その時代から果たして何が変わったのか、演出家は観客に問いかける。何も変わっていはいない。人々は恋愛し、他人をだまし、苦しみ、そして真実を追い求める。ラヴィンスキーはチェーホフ作品の中でも難解として知られる名作に着手し、舞台上での実現を試みた。日常を扱った舞台からは、満たされない人心の葛藤が垣間見える。

関連ニュース

コメント