ソ連でも今のロシアでも、毛皮には特別な思い入れがあり、特別な位置づけにある。最も人気ある毛皮グッズは「シャープカ・ウシャンカ」=耳当て帽で、ソ連時代は全員がこれを身に着けていた。「シャープカ・ウシャンカ」は型と毛皮の処理に特徴があり、ここを見て持ち主のステイタスを判断することができた。素材はユーラシアカワウソ、マスクラット、ヌートリア、マーモット、ミンク、ホッキョクギツネ、シルバーフォックス、ウサギ、カラクル、シープスキンなどであった。
ソ連のお洒落な女性たちが「プラトーク」=ショールや毛皮襟を見逃すわけはない。白くて軽い、透かし網のウールショールは皆の憧れであった。これは特別な場面、ここぞという時のための大切にとってあった。ソ連のお洒落さんたちの多くは、キツネあるいはホッキョクギツネのファー襟をワードローブの必須品だと考えていた。どんなコートにも付けることができたのだ。