GPS第3戦「フランス国際」フリー演技終了後の記者会見で、コストルナヤ選手、ザギトワ選手、マライア・ベル選手(米国)は感情を隠さなかった。ベル選手は3位という結果に心から喜び、ファン向けのインスタグラム用メッセージを録っていた。コストルナヤ選手は喜びと戸惑いを隠さず、記者の質問を待っていた。そしてザギトワ選手は唇を噛みしめながら、スマホに視線を集中させていた。
コストルナヤ選手は「ザギトワ選手に見習う点は」という質問に対し「アリーナ(ザギトワ選手)のように顔色を変えず、失敗しても笑顔でいたい」と答えた。それを聞いたザギトワ選手は、この時ばかりは落ち込んだ気持ちを隠すことができなかった。
ザギトワ選手は「私も同じようなジュニア選手でした… 4回転を跳ぶ選手について何を言えるかって?すごいね、ですね」とあっさりと答えた。
ザギトワ選手はフリー演技の前半、3回転ルッツ+3回転ループのコンビネーションがうまくいかなかったが、後半に入れた。コストルナヤ選手はSPとフリーの合計で236点をマークし、自己ベストを更新した。
「11歳や12歳の選手が4回転を跳んでいるのを見ると、何が起こっているのだろうと思います。こんなことがあり得るのだろうか、と。でも2つの方法しかないというのは分かっています。若い選手が飛ぶような難しいジャンプを習得するか、あるいはカロリーナ・コストナー選手のような、感動する演技の域まで達するか」
コストナー選手の優れた芸術性や音感を学べるかと言えば、それは不可能だ。あれは生まれながらの才能で、伸ばすことはできるが、途中で手に入れられるものではない。では年齢の壁を超えて高度な技術要素を習得できるかと言えば?これに対するはっきりした答えはない。
ザギトワ選手の新プログラムは、ショートもフリーもとても彼女に合っている。彼女は大人になり、これらプログラムは彼女のいい面を見せることができる。より女性らしく、セクシーで、音楽で深い感情や氷上でのより複雑な心の機微を伝えることができる。これはジュニアにはまだできないことだ。とはいえ、ザギトワ選手は今回、コストルナヤ選手にテクニカルだけでなく、芸術性においても負けてしまった。
現時点での注目は、ザギトワ選手が今後の競争と緊迫状況にどう対応するかだろう。GPS日本大会でのコストルナヤ選手との対決は間近に迫っているのだから。もちろんトルソワ選手とシェルバコワ選手のことも忘れてはいけない。