フィギュア特集

NHK杯のロシア選手 その素顔 スプートニク記者雑感

フィギュアスケートのグランプリシリーズ第6戦 NHK杯。取材に入ったスプートニクの記者が、ロシアから参加した選手たちの素顔に迫った。
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エテリ・トゥトゥベリーゼ氏は今季、綺羅星の選手らをシニアに送り出した。その1人、アリョーナ・コストルナヤ選手は初日のSPで世界最高得点をたたき出し、大いに会場を沸かせた。SP終了後のミックスゾーンで各国の記者がわっとコストルナヤを取り囲む中、五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ選手がまさかの4位という成績に茫然とした状態で現れた。しかし、コストルナヤの姿を認めるや否や、ザギトワはすぐさま踵を返した。その後、改めてミックスゾーンに招かれたザギトワ。凍りついた表情に記者団は言葉を失い、質問も俄然慎重になった。ザギトワ選手は声を絞り出すように答えていた。

​翌日のフリーでボロノフはジャンプのミスが目立ち、惜しくも表彰台を逃した。長いキャリアの中ではこんなシーンをいくつも乗り越えてきたのだろうか。薄暗い廊下の片隅で記者からの質問を受けることとなったボロノフが、感情的な言葉を一切排し、「僕はもう人として成熟しているから」とコメントしたのが印象的だった。SPの演技で落胆したザギトワとは違い、その目に動揺の色はなく、「昨日のショートでは自分に勝って、今日は負けた」とNHK杯を締めくくった。

選手らが泊まるホテルには、羽生ファンが人垣となって出待ちしていた。そのロビーを通り抜けながら部屋に戻ったボロノフは何を思ったのだろう。クイーンの旋律で王者に返り咲く姿を見たいと思ったのは筆者だけではないはずだ。


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