アメリカの無人機「ヴァルキリー」がアメリカの制空権のために戦う

中国の戦勝記念パレードで、ロケットエンジン搭載の中国製無人機WZ-8を含む中国の最新兵器がお披露目された直後、アメリカがこれに対抗する行動に出た。すでに3回の試験飛行を終えた無人機XQ-58A Valkyrieを2020年には武器を機外搭載して試験すると発表したのだ。この試験により最新の無人機の実戦配備に向けた道が開けることになる。
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XQ-58A ValkyrieはKratos Defense&Security Solutions社がアメリカ空軍のために開発した最新の空軍機である。

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この無人機の基本にあるコンセプトは単純だ。

まず、XQ-58A Valkyrieは小型で安価な無人機である。全長8.8メートル、翼幅6.7メートル。量産モデルの値段は1機あたり200万~300万ドルだ。比較してみると、F-35は全長15.4メートル、翼幅11メートルで、値段は改良型にもよるが、8420万~1億800万ドルである。F-35の1機分の値段で30機以上のXQ-58Aができることになる。これは重要なファクターだ。アメリカは中国人民解放軍に比肩し凌駕するために、軍用機を急激に増やす方法を探している。XQ-58A Valkyrieはこの意味でかなり良いアイデアだろう。

次に、XQ-58A ValkyrieはGPS誘導型航空爆弾JDAMや誘導航空爆弾GBU-39などの兵器を搭載することができる。GBU-39はまさに傑作だ。この航空爆弾は投下地点から最大110キロメートルの射程を持ち、命中精度は誤差5メートル、重量130キログラムにして92キロの弾薬を積んでいる。そしておそらくXQ-58A ValkyrieはAIM-120のような空対空ミサイルを搭載することができる。このミサイルは重量152キログラムで、無人機に機外搭載することができる。

さらに、現在XQ-58A Valkyrieを航空機F-15やF-35と組み合わせて使用することが計画されている。有人飛行機1機と複数の無人機という組み合わせだ。これは大きな戦略的優位性につながる。ミサイル防衛システムで防護された施設を攻撃する際に高価な航空機と熟練のパイロットの損失を大きく減らすことができるのだ。無人機のコストは戦闘機用の弾薬と大して代わらない。ミサイルAIM-120は約40万ドルであり、XQ-58A Valkyrieはミサイル8基分、F-35のミサイルシステムの半分の値段なのだ。

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おそらく、将来的にXQ-58A Valkyrieは無人迎撃機に改造され、他機と組み合わせて使用されるか、無人戦闘爆撃機として単独使用されることになるだろう。XQ-58A Valkyrieには2つの利点がある。一点目に、パイロットが耐えられる負荷は8~9G、一時的でも12Gである。これが航空機の操縦性を制限する。無人機であればもっと大きな負荷に耐えることができ、機体の強度が許す限り、数十Gや数百Gでも耐えることができる。これは空中戦で優位だ。ミサイルをかわし、撃墜するのに優位な位置を取ることができるのだ。

総じて、XQ-58AValkyrieは中国が空軍強化をうまく進めていることに対する良い回答だ。この地域では空の覇権を巡る激しい技術競争が繰り広げられており、それが新兵器の登場に繋がっている。

2023年から2025年頃にはアメリカ空軍と海兵隊の装備にXQ-58A Valkyrieの量産モデルが(別のインデックスになるかもしれないが)登場すると考えられる。また、同盟国で同型の無人機の配備が始まることも十分に考えられる。

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