ロシアのエテリ・トゥトベリーゼ監督の教え子、アレクサンドラ・トルソワ、アンナ・シェルバコワ、アリョーナ・コストルナヤの3人はそれぞれが今までのGPで優勝を果たしている。紀平梨花選手は前回のNHK杯で4回転ジャンプを跳ぶと宣言。ロシア勢で占められた首位を崩しにかかるかと思われたが、ショート、フリーのいずれもミスなく演技したものの、結局は4回転は跳ばずに終了。このファイナルで彼女がどう出るか、大きな見ものだ。
12月4日プレスとファンたちには選手のトレーニング風景を見るチャンスが与えられた。トレーニングで紀平選手はほぼ孤高の状態。リンクにロシア勢の姿がなかったからだ。ロシア人選手らは予定より遅れてトリノ入りしたため、初日の練習にもSPの滑走順を決める抽選にも間に合わなかった。
紀平は練習場面ではウルトラCのジャンプを跳び、トリプルアクセルの連続技をミスなく決めている。加えてフリーで紀平はおそらく一世一代の大勝負に出て、4回転ジャンプを跳ぶに違いない。これこそ優勝のタイトルをかけた戦いの切り札だ。それに対してトリプルアクセルが不調続きのアレクサンドラ・トルソワ選手はこの技はファイナルでは跳ばないと決めた(とはいえ、どんなサプライズがでるかは最終的には本番を見るまでわからない…)。トルソワの強みはクワドの連続技。フリーではサルコウ、ルッツ、2つのトゥループと、4つの4回転ジャンプを跳ぶ。
コストルナヤはトリプルアクセルと芸術性の高い演技で、シェルバコワは4回転ジャンプと奇抜なコスチュームでそれぞれ頂点に挑む。
ザギトワは、今季はプログラムの難度を高めることはしなかった。それでも彼女自身が安定した滑りができ、かつロシアのジュニア上がりのうち1人でもミスを繰り返す事態となれば、ザギトワにも3位までに食い込むチャンスは残されている。
紀平のSPの滑走順はコストルナヤ、トルソワ選手、シェルバコワに続く4番目。つまりSPの勝敗は紀平の演技の後に決まる。
紀平ですべてが決まる 日本はロシアから優勝をさらえるか?
© Sputnik / Savitskaya Kristina
紀平ですべてが決まる 日本はロシアから優勝をさらえるか?
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