15件のうち最大の被害額を出したのは、10~11月に米カリフォルニア州で起きた森林火災で250億ドル(約2兆7000億円)。
2番目に大きい被害額は、10月に日本を襲った台風19号「ハギビス」で150億ドル(約1兆6000億円)。また、9月の台風15号「ファクサイ」による被害額は90億ドル(約9820億円)に上った。
3番目に大きい被害額を出したのは、3~6月に米中西部で起きた洪水で125億ドル(約1兆3600億円)。
第4位は6~8月に起きた中国の洪水で120億ドル(約1兆3000億円)。
5位に入ったのは、9月に北米を襲ったハリケーン「ドリアン」で114億ドル(約1兆2000億円)。
6位と7位は、6~10月にインド北部で発生した洪水と8月の中国を襲った台風9号「レキマー」。被害額は双方とも100億ドル(約1兆900億円)。
8番目に大きい被害額は、3~6月にイランで起きた洪水によるもの。推定被害額は83億ドル(約9058億円)。
9位と10位は、9月に発生し米テキサス州の住民を襲った熱帯低気圧「イメルダ」と、5月にインドとバングラデシュを襲った大型サイクロン「ファニ」で、被害額はどちらも80億ドル(約8730億円)。
自然災害による取り返しのつかない損害
「クリスチャン・エイド」の専門家らは、最悪なのは自然災害によって大勢の人命が失われることだと指摘している。2019年で自然災害による最も死者数が最も多かったのはインド北部の洪水で、1900人が亡くなった。
アフリカで最も大きな被害をもたらしたのは、3月にモザンビーク、マダガスカル、ジンバブエ、マラウイで2度の洪水を発生させたサイクロン「イダイ」。このサイクロンで亡くなったのは1300人。サイクロン「イダイ」は、南半球の現代史において最も破壊的な自然災害の1つに数えられ、20億ドル(約2180億円)の被害額を出した。
以上のことから、同組織は、2019年は、何千万人もの人々の生活を混乱させ、多大な経済的被害をもたらした最も不安定な自然災害の年だったと指摘している。