小松原・コレトのふたりがアイスダンスでペアを組むまでの道のりは平坦ではなかった。互いに組む相手を幾度か変えており、代表する国もそのたびに異なった。ふたりがペアを組み始めたのは2016年。それから1年後、ついに結婚。そして国際試合では日本を代表するようになった。
ふたりは勝利を信じて前進している。これまで日本の国内選手権では昨シーズン、今シーズンと2年連続で優勝した。昨シーズンの優勝までは銅メダル、続いて銀メダルをとっている。そして今回の四大陸では11位を占めた。
四大陸までの困難
ふたりはアイスダンスに転向したのがかなり遅かったため、練習は「けっこう頭を巡らせて」せざるをえないと語っている。
「ペアを組んで日が浅いわりには私たちの成績は悪くなかったんですが」という小松原さんだが、悲しいことに今回の四大陸の成績には怪我の影響が出てしまった。小松原さんは首に震盪と捻挫を起こし、治癒の期間が長引いてしまった。
小松原さんは「今シーズンの練習は満足にできませんでした。強烈な痛みが半年長引いてしまって」と悔しがる。
ティムさんは「十分な練習ができるようになったのは四大陸の1月前でようやく本当に互いを信頼し、恐怖を克服できました」と振り返った。
アイスダンスがシングルに勝る点は?
「これ(シングル)は別の種目なんですよ。でもシングルは成熟した深いものだとはいえない。アイスダンスは20歳以上が大半で、これとは異なります。」
小松原さんはアイスダンスを、スポーツとも芸術とも偏らない、その間にバランスをとった種目ととらえる必要があると語る。
ティムさんは「アイスダンスにはスポーツ種目としてのフィギュアのもつ最良の特徴がすべて合わさっているんです。高いジャンプもある。速いスピードも。準備段階ではワルツだけじゃなく、ダンスのすべての種類に考慮しています」と言う。
そろって「スケーターの演技の芸術表現にはやはり、大人としての成熟さが必要とされる」という点で見解は一致している。
ロシア
ふたりはロシアのアイスダンス代表の成功を隈なく追っているという。
小松原さんは「ニキータ・カツァラポフ/ヴィクトリヤ・シニツィナ組、もう最高!」と感嘆。
「練習じゃなく大会で100%を出し切るというのはすごく難しい。でも彼らはそれをやっている。ロシアのペアにはすごく鼓舞されます。よく自分に言い聞かせるんだ。『ニキータみたいに練習しなきゃ』って」とティム。
将来、どんな計画が?
この問いへの答えはシンプル。2020年シーズン、そして北京冬季五輪。
ティムさんは「団体成績として日本代表の勝利に貢献できると思います。グランプリシリーズのファイナルの初のアイスダンス日本代表となりたいです。こんなこと今までなかったのですから」と抱負を語った。
コロナウイルス騒動の最中の四大陸
「私は日本人なのでマスク着用には慣れているんですけど、大会で全員がマスクを着用しているのを見たことは今までなかったですね」と小松原さん。
ティムさんのほうは「ユヅ(羽生選手)の応援をするときは大声を出すので何度もマスクを下げなきゃならなかったよ」と笑っていた。
ふたりは「こんな事態は最初で最後だと思いたい」と語った。