ホアキン・フェニックス、アカデミー賞授賞式で牛を擁護。酪農家は不満

第92回アカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスさんは、受賞スピーチで、酪農場で苦しんでいる牛について語った。酪農家たちはこれに不満を表した。
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ホアキン・フェニックスさんは動物の権利を訴えたり、肉食にも反対している。

フェニックスさんは主演男優賞を初受賞した後、受賞スピーチを行い、その中で、人間による天然資源の圧迫に関するテーマについて触れた。

​フェニックスさんは「私たちは自然世界から非常に隔絶してしまったように思う。私たちの多くは、世界に対する自己中心的な見方で罪を犯しており、私たちは自分たちが宇宙の中心だと思っている。自然界に侵入し、その資源を略奪している。私たちは、動物が明らかに苦しんでいるとしても、自分たちには牛を人工的に授精させ、その子こどもを奪う権利があるように思っている。その後、私たちは、子牛のために定められたミルクをとり、それを自分たちのコーヒーやシリアルに入れている」と語った。

一方、このスピーチに酪農家たちは懐疑的な態度を示した。

授賞式の翌日、米ウィスコンシン州の酪農家キャリー・メスさんはフェニックスさん宛てに公開書簡を書き、少しの間ハリウッドを去り、実際に牛がどのような環境で生活しているのかを見てみるよう呼びかけた。

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同じくウィスコンシンで牛のブリーダー事業をしているティナ・ヒンクリーさんも、フェニックスさんを批判した。ヒンクリーさんによると、主産直後に子牛が母牛から引き離されるのは、子牛の安全のためだという。ヒンクリーさんは「野外の飼育場は畜糞堆肥がたくさんあり、そこはサルモネラ菌、大腸菌、その他の感染症でいっぱいだ」と説明した。

キャリー・メスさんによると、牛は通常、強い母性本能を示さないため、子牛との別れに苦しむことはあまりなく、それどころか、子牛の世話にエネルギーを費やす必要がないことをむしろ喜んでいる可能性があるという。

またキャリー・メスさんは、人間とは本来、捕食者であり、捕食者は他の動物を自分と平等には捉えないとし、ライオンはガゼルを食べ、ガゼルの命に対する権利を尊重していないと指摘した。

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