世界気象機関(WMO)によると、南極の気温は過去50年で約3度上昇し、南極の氷が溶けるスピードは1992~2017年の間にほぼ5倍も速まった。
温暖化は南極大陸の氷だけではなく、動物相にも影響を与えている。過去50年間で南極に生息するペンギンの個体数は半数以上減少した。これは、ペンギンは海氷に棲むオキアミを主食とするが、その住処である氷が消失していることと関係する。このように他の動物の生息環境も変わり始めていることが、ペンギンの生活習慣を乱すことにつながっている。
オランダの写真家フランス・ランティング氏は先日、自身のインスタグラムのアカウントで、雪や氷が解け、地面が現れた南極大陸に立つ泥だらけのペンギンの赤ちゃんの写真を投稿した。映像撮影家のクリス・エックストローム氏も泥水の中で震えるペンギンの赤ちゃんの動画をインスタグラムで公開している。
「見たことないものをどうやって心配できる?」
南極では、溶けた氷からすでに川が形成され始めている。1月末、その川で泳いだのが、過酷な環境での水泳にチャレンジする英国のルイス・ピュー氏。同氏はツイッターで「この地域での氷が急速に溶けているのを目の当たりにし、私は、私たちが今、気候変動の非常事態に直面していることを確信した」と自身が泳いた写真とともにツイートした。