バンク・オブ・アメリカの予測では、この危機は史上最大のものに並ぶという。既に第二四半期においてGDPは12%縮小し、第二次世界大戦時以来の記録を更新した。
メイアー氏によると「深刻な落ち込みは既に始まっている」という。コロナウイルスはほぼ全ての部門を直撃したからだ。
これが失業率増加や国民所得縮小をもたらすのは避けられないだろう。第二四半期全体を通して、雇用の場は1か月に100万人単位で失われている。結果として失業者は350万人に達し、特に娯楽産業、交通、ホテルビジネス、小売が最も影響を受ける。
企業がコロナウイルスCOVID-19拡散の予防策として人々を解雇して以来、失業手当の申請数は既に急速に増えている。最も被害が大きいのが、時給雇用の低技能労働者だ。
これについてはワシントンを拠点とする国際金融協会(IIF)も警告している。最新データによると、2020年の世界経済の成長率は1.6%ではなく、わずか0.4%だという。
同協会アナリストは世界経済の3分の1が危機に見舞われていると確信している。景気後退は米国、EU,日本で見られ、これら地域は世界GDPのそれぞれ15.1%、11%、4%を占めている。IIFによると、景気後退は少なくとも今年半ばまで続くという。
追い打ちをかけるオイルシェール
アナリストらは、このような規模の問題に米国経済はこれまで直面したことがない、と語る。2001年9月11日の同時多発テロ後も、2008年のリーマンショック時も今回の比ではないという。当時の失業率は10%で、GDPは4%下がった。
そして現在、米国のスティーブン・ムニューシン財務長官の予測では、パンデミックの経済的影響を抑えるためのアグレッシブな手を打たなければ、失業率は20%に届く可能性があるという。
米国政治専門誌ザ・ヒルによると、米国にとってパンデミックの経済影響をさらに悪化させたのが石油市場におけるロシアとサウジアラビアの論争だ。価格戦争の最初の犠牲者となるのが米国のシェール産業となる可能性は既に見えている。