「原因は放火」 チェルノブイリ立ち入り禁止区域の火災、1週間余りでようやく鎮火

チェルノブイリ原発の立入禁止区域での森林火災が14日、発生から1週間余りでようやく鎮火した。雨が降り、鎮火を助けた。ウクライナの国家立入禁止区域管理庁付属社会協議会のメンバー、ヤロスラフ・エメリヤネンコ氏は火災の原因について、立ち入り禁止区域内の侵入者による放火の可能性があると発表した。ウクライナの「グロマドスケ」が伝えた。
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エメリヤネンコ氏は「今回の火災は、誰もいないところで起きた。なぜならこの区域は隔離で閉鎖されているからだ。しかし『ストーカー』を自称する立ち入り禁止区域への不法侵入者がおり、火災は彼らが通った『小道』で起きた」と述べた。

チェルノブイリの森林火災 火の手は原発へ
またエメリヤネンコ氏は、現場では現在も「草が燃え、煙が出ている」とし、救助隊や森林警備隊が事態の掌握に努めており、「我々は線量計を片手に移動している」と語った。

先にウクライナ当局は、立入禁止区域内の使用済み核燃料貯蔵施設(チェルノブイリ原発)への延焼はないと発表した。同施設は不燃性の鉄筋コンクリート建造物であるほか、その半径100メートルの森林は伐採されているためとしている。

チェルノブイリ立入禁止区域での森林火災の消火活動は、2週間目に突入していた。

ロシアの「Ren-TV」が現場の映像を公開している。

チェルノブイリ地域の火事 雨が消火の力に
火災はプリピャチ川の左岸に燃え広がり、チェルノブイリ原発に迫った。原発近くの旧村落の多くのエリアが焼失し、1986年の原発事故によって生じた有名な「赤い森」の一部が失われた。航空機による空中消火も行われた。火災による損失は、推定数千万フリヴニャ(1フリヴニャは3.98円)。

先に、地元警察が、キエフ州の村在住の男(27)を放火の疑いで拘束した。その後、もう一人の容疑者が拘束されたと報じられた。

この状況を背景に、ウクライナの原子力エネルギーと産業の元関係者らでつくる協会は、同国の原子力分野における脅威的な状況と「次なるチェルノブイリ」が起きる危険性を指摘した。

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