NATO加盟国が軍事管理の必要性を主張=NATO事務総長

北大西洋条約機構(NATO)加盟国はオープンスカイズ条約を含む、国際的軍事管理に関わる条約の完全な履行を主張している。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長が発言した。同氏の声明はオープンスカイズ条約をテーマとしたNATO首脳会議の実施後に発表された。
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NATO加盟各国は軍備、軍縮、非拡散に関わる国際的管理の維持を強く主張している。ストルテンベルグ事務総長は声明の中で、オープンスカイズ条約の加盟国は自国の義務を完全に順守する必要があるとした。

米国のオープンスカイズ条約脱退にロシア外務省がコメント

ストルテンベルグ事務総長によれば、NATO加盟国はいずれもオープンスカイズ条約を順守しているものの、ロシアは飛び地のカリーニングラード州、およびグルジアとの国境上空で飛行規制を行っているという。声明の中でストルテンベルグ事務総長は次のような言葉でロシア側の対応を批判した。

ロシアによる部分的な履行が続いており、オープンスカイズ条約が形骸化している。数々のNATO首脳会談を含め、長年にわたってNATO加盟国はロシアに対し完全な履行に復帰するよう要請してきた。

一方、ロシア外務省のアレクサンドル・グルシコ外務次官はこうした批判に対し、ロシア側が条約違反した例はないと応じてきた。そのうえで、オープンスカイズ条約が存続する以上、この条約の完全な履行を望むとした。


5月21日付けのニューヨークタイムズ紙は消息筋情報として、米国が22日、オープンスカイズ条約脱退の意向をロシア側に通達する構えだと報じていた

トランプ大統領は22日、ロシアがオープンスカイズ条約を履行していないとの理由で米国が同条約からの脱退の構えにあることを確認した

オープンスカイズ条約とは

オープンスカイズ条約は1992年に調印され、「冷戦」後の欧州における信頼醸成措置の一つとなった。同条約は2002年から有効となり、条約参加国は互いの軍や活動に関する情報を公然と収集することができる。オープンスカイズ条約の締結国は現在、34か国を数える。

2020年1月、ロシアのラブロフ外相は、条件をつけずに新STARTを延長することをロシアは支持すると表明する一方で、この件について米国からの明確なシグナルは見えないと語っていた。

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