ロシア外務省はオープンスカイズ条約の今後の路線について、ロシアとしては国益と連合国との相互関係に立脚して策定する姿勢を表している。
ロシア外務省の声明文には「オープンスカイズ条約を廃棄するという非建設的な路線から、米国の条約履行能力、一貫性には懐疑的にならざるを得ない。このことはこの国(米国)の同盟国の間でさえ、深刻な憂慮を呼んでいる」と書かれている。
5月21日付けのニューヨークタイムズ紙は消息筋情報として、米国が22日、オープンスカイズ条約脱退の意向をロシア側に通達する構えだと報じていた。
トランプ大統領は22日、ロシアがオープンスカイズ条約を履行していないとの理由で米国が同条約からの脱退の構えにあることを確認した。
オープンスカイズ条約とは
オープンスカイズ条約は1992年に調印され、「冷戦」後の欧州における信頼醸成措置の一つとなった。同条約は2002年から有効となり、条約参加国は互いの軍や活動に関する情報を公然と収集することができる。オープンスカイズ条約の締結国は現在、34か国を数える。
2020年1月、ロシアのラブロフ外相は、条件をつけずに新STARTを延長することをロシアは支持すると表明する一方で、この件について米国からの明確なシグナルは見えないと語っていた。