ロシアとNATO 新型コロナ感染拡大時の軍事演習中止を合意できず

NATO(北大西洋条約機構)は新型コロナの影響で中止していた欧州における軍事演習の再開に向け準備をしている。6月5日には米国主導の大規模多国籍移動作戦「Defender Europe 2020」の一環として米・ポーランド演習がスタートする。
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当初の予定では本演習は過去25年で最大規模となりNATO加盟国18カ国および同盟パートナー国から3万7千人超が参加して行われるはずだった。新型コロナの影響で演習は中止となり、今回は規模を縮小して実施される。

ロシア「コメルサント」紙によると4月、セルゲイ・ラブロフ外相はイェンス・ストルテンベルグNATO事務総長宛に書簡を送り、新型コロナ感染拡大時に双方の軍事活動を停止するよう提案した。ロシア側は、このような「軍事抑止」的な決定は「建設的で前向き、かつ健全化の一歩」となるだろうとしている。同時に、ロシアはすでにNATO国境付近における軍事活動の明らかな低下に踏み切った。

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ルンジェスクNATO広報責任者によると、ストルテンベルグ事務総長はロシア側の提案に対し、NATOの行動は「厳格に防衛的で比例的であり、国際的責務に合致している」と回答。NATOが東欧におけるプレゼンスを強化しているのは、ロシアが「隣国に軍事力を行使し、バルト海地域およびその周辺に軍事力を強化している」ことへの対応であると答えた。

同広報によると、ロシアは大規模な予告なしの演習を継続しており、バルト海および地中海における飛行士の行動は専門家とは程遠いという。

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は先週、現在ロシアの軍事安全保障の観点で西方面は最大の脅威をもたらしていると発言した。西軍管区では今年に入り30を超える演習がすでに行われたが、それらは「極めて防衛的な性質」だという。さらに約2000の新兵器・近代化兵器の供給と同期した軍の戦闘構成改善のため、28件の「計画行事」が予定されている。

セルゲイ・リャブコフ外務次官は、ラブロフ外相の書簡に対する返答はロシア側を「失望させた」と語った。

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