米国防総省のマーク・エスパー長官は5月15日、競争国はすでに宇宙空間を軍事目的で利用していると発言し、宇宙の軍事利用を積極的に推し進める意向を明らかにした。
米国の宇宙軍は2019年12月に創設されており、日本の河野太郎防衛相は5月18日に「宇宙作戦隊」の創設を公表した。同部隊は、日本が宇宙空間で運用する人工衛星の安全について監視活動を行うことを目的としており、部隊の本格的な運用は2023年に始まる見込み。
こうした事態を受けて中国国防部は一部の国々が他国の脅威を口実に宇宙軍を創設し、宇宙空間における軍事的優位を目指しているとして、批判を強めている。また、宇宙での軍拡競争はグローバルレベルの安全保障戦略に否定的影響を与えるとして警鐘を鳴らしている。
中国側は日米が進める軍事目的の宇宙開発を注視しているとし、宇宙空間の平和的利用を呼び掛けた。そのうえで国防部の呉謙報道官は関係国に対し、「責任ある立場」を貫くよう呼びかけ、各国が連携して「宇宙空間における揺るぎない平和と安定を守る」必要性を訴えた。
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