今回、香港の研究者らが同地域の感染拡大の状況を調査したところ、感染者の70%は感染を全く広めていないことが明らかになった。また、症例のうち80%は、20%の保菌者(キャリア)からの感染によるものだという。研究者らによると、このキャリアが主に感染を拡大させている。
この研究論文の共著者の1人、ベン・カウリング氏は、「スーパー・スプレッダーの出現の頻度は、我々の予想以上に多い。これは偶然の産物だと説明できるものではない。スーパー・スプレッド現象の頻度は、想像していた以上に起きている。もし、この現象を止めることができれば、全ての人々に良い結果をもたらすだろう」と述べている。
研究者らは、1月下旬から4月下旬にかけて香港で確認された1000例以上の症例を分析。このうちの約350例は香港内で感染した症例、残りの症例は海外からの入国者によるものだった。さらに香港内での感染例の半数以上が、6個のスーパー・スプレッド現象に関連するものだった。
アルゼンチンの研究者は新型コロナウイルスについて、さまざまな国で感染者数にバラつきがあるのはコロナウイルスの株や国民の免疫ではなく、通常よりも大量のウイルスをうつして多くの人を感染させる「スーパー・スプレッダー」の集団が存在するか否かに左右されるとの見解を示した。
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