ドイツが厳しく批判 米国の「ノードストリーム2」に対する制裁計画

ドイツ政府は、天然ガスパイプライン「ノードストリーム2」の建設に対し、米国政府が制裁を強化しようと計画していることについて懸念を表明している。ドイツ政府によれば、米国上院議員らの積極的な取り組みが「残念ながら見受けられた」という。14日、ドイツ外務省の情報筋を引用し、ドイツ通信社が報じた。
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ドイツ外務省代表は、「新たな制裁は、欧州のエネルギー安全保障と欧州連合(EU)の主権に対する深刻な侵害を意味することとなる」と表明した。同代表は、ドイツ政府は治外法権的な影響をもつ制裁を容認しないと強調した。

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この間、ドイツ紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」は、米国が「ノードストリーム2」の完成を妨げるため新たな制裁を導入しようとしていることについて、ドイツ政府が批判的見解を表明していると報じた。

制裁強化に関する法案

6月上旬、米上院では、天然ガスパイプライン「ノードストリーム2」に関わって制裁を強化する法案が提出された。新たな法案により、制裁は、直接パイプラインの建設作業を行う企業のみならず、保険や法的援助を行う企業、さらに港湾サービスにも範囲が広げられている。

天然ガスパイプライン建設、米国の制裁により停止

「ノードストリーム2」の建設作業は、2019年12月に米国が欧州の関連企業へ制裁を科したことから、現在、作業が停止している。これらの制裁は、関連企業代表の米国入国を禁じ、同国領内のあらゆる資産の凍結を規定している。

「ノードストリーム2」は、既存の「ノードストリーム」と並行し、バルト海の海底に施設される予定。新たなパイプラインが通される領海の国々(フィンランドとスウェーデン、ドイツ、デンマーク)は、施設建設を了承している。米国と一連の欧州各国はパイプライン建設に反対の意を表明している。それらの国々は、同パイプラインがロシア製天然ガス供給への欧州の依存を強めることになると主張している。

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