アラスカ州当局「イントゥ・ザ・ワイルド」の廃バス撤去 巡礼遭難相次ぐ

米アラスカ州当局は、有名な映画『イントゥ・ザ・ワイルド』に登場する廃バスを撤去した。バスは人里離れた荒野にあり、1992年、同作が描いた青年クリス・マッケンドレスさんがこの廃バスで数カ月を過ごし、餓死したことで知られている。撤去については同州天然資源局HPで報告された。
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同局職員によると、この廃バスは旅行者の危険な巡礼地となっており、映画ファンが廃バスを目指して遭難したり負傷する事故が相次いでいた。バスの撤去先については現時点では未定。一方で、当局はすでにバスを「安全な場所」に送ったとしており、最終決定を待つことになりそうだ。

このバスはなぜ危険なのか。人々はなぜバスを目指すのか。

廃バスは映画に登場するだけではなく、冒険家クリス・マッケンドレスさんが実際に過ごし死亡した場所としても知られている。

​1992年、当時22歳のマッケンドレスさんはアラスカの未開発地域へ1人で旅立った。狩猟や採集で数カ月を1人で過ごす予定だった。山岳地帯に打ち捨てられたバスを見つけ、そこを住居とした。マッケンドレスさんは狩猟の技術もなく予備の食糧も少なかったことから、数カ月後にバスの中で餓死した。遺体はハンターによって偶然発見された。

​映画が公開されると、バスは聖地となり、マッケンドレスさんの旅をたどろうとする人々が相次いだ。しかし準備が足りない旅行者にとってはこのルートは非常に危険だ。バスは荒野にあり、周りには急な流れの川がある。

映画公開の2007年以来、巡礼者の捜索救助活動は15回以上行われている。直近では2020年4月、航空救助隊が意識を失ったブラジル男性を発見した。

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