国連安保理 米英仏が拒否権行使 シリアの人道支援巡り

国連安全保障理事会は10日、対シリア越境人道支援体制の延長についてロシアが用意した決議案の採決を行った。決議案は、シリアとトルコの間に設置されている2か所の人道支援用国境通行所を1か所にまで削減し、その開設期間を1年間に限って延長するという内容のもの。賛成4票、反対7票、棄権4票により、ロシアが用意した決議案は否決された。
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賛成票を投じたのはロシア、中国、南アフリカ、ベトナムの4ヵ国だった。チュニジア、ニジェール、インドネシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島は棄権した。米国、英国、フランスの常任理事国に加え、ドイツ、ベルギー、エストニア、ドミニカ共和国はこの決議案に反対した。

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国連安保理は2020年1月前半、人道支援体制を半年間に限って延長することを提案したベルギーとドイツの決議案を採択した。この決議案では国境通行所を当時有効だった4か所から2か所にまで削減することが盛り込まれていた。この結果、現在ではバブ・エス・サリャム、およびバブ・エル・ハヴァの国境通行所が開設されている。

国境通行所の開設期間は2020年7月10日で終了することから、ベルギーとドイツは開設期間を1年間に限り延長する決議案を7日に提出した。

これについてロシア側は、シリア政府がこれまでテロ組織に支配されていた地域を管理下に置いたことから、トルコとの国境に位置するバブ・エル・ハヴァの国境通行所のみを残すだけで十分として拒否権を行使した

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リアノーボスチ通信が入手したロシア側の決議案によると、この支援体制は一時的な性格のものとして構築されたものであることから、人道支援用国境通行所を1か所にまで削減し、開設期間を1年間に限って延長することが盛り込まれている。

また、ロシアが用意した決議案ではシリアに対する一方的な制裁が新型コロナウイルスの感染拡大防止対策に与える脅威について指摘されており、国連安保理はシリア内の人道的状況に深刻な懸念を表明する、との表現が記されている。


シリアへの人道支援物資、および医療物資はトルコをはじめとする周辺国から送られている。支援はいずれもトルコとシリアの前線や、2014年7月に開設された国境通行所を経由して行われている。この支援体制は毎年、国連安保理の決議で延長されてきた。この支援体制では国連の人道支援機関、およびそのパートナー組織はトルコとシリアの紛争地域に加え、バブ・エス・サリャム、バブ・エル・ハヴァ、エル・ヤルビヤ、アル・ラムタといった国境通行所を利用することができた。

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