カイザー氏の予想が当たれば、ビットコインの価格は現時点より150%以上上昇することになる。
トロシン氏は「ビットコインは投資対象として魅力的だ。しかし、カイザー氏が予想する2万8000ドル(約294万7200円)台の実現は考えにくい。通常、ビットコインの最初の投機的な動きは最も大きいが、それ以降は小さくなる」と推測する。
またトロシン氏は、ビットコイン価格はネガティブなニュースで小幅に下落する恐れがあるが、今後1~2年で安定した上昇を示す可能性があると予想。また、現在の市場は全体として不確実性が高いことを考慮することが重要だと指摘している。
ビットコイン相場は3月、3800ドル(約39万9100円)まで下落したものの、5月には下落前の価格まで回復した。これまでのところ、ビットコイン価格は200%上昇している。トレーダーであり、仮想通貨分析を行う「トラデュニティ」の創業者、ドミトリー・ラブロフ氏はビットコインの価格上昇が続く可能性はあると予測している。
ラブロフ氏によると、次の大台は1万2000ドル台(約126万3100円)と1万4000ドル台(約147万3600円)になる可能性がある。同氏は「これはかなり実現可能だ」と述べている。
クリプトルグ・ドット・エクスチェンジのアンドレイ・ポドリャンCEOも以前、ビットコイン価格の上昇について肯定的な予想を示していた。価格は2ヶ月間、狭い幅で動いていたが、その後上昇し始め、1万ドルの壁を突破した。これにより1万4000ドルまでの上昇が可能となった。しかしポドリャン氏は、ビットコイン価格が今年、最高値を更新する見込みは低く、さらに来年の初めまでに1万ドルを下回る恐れがあると断言する。
仮想通貨取引のプラットフォーム「CEX.IO Broker」のデータ分析部門長のユーリー・マズル氏も、ビットコイン価格が近い将来、史上最高値を更新する可能性は低いとのポドリャン氏の見解に同意している。それでも、価格上昇を示す前提条件はいくつかあるという。
マズル氏は「金価格の上昇がビットコインの価格を押し上げている」と指摘。
さらにマズル氏は、ビットコイン価格は米国の金融政策の影響を受けていると述べた。米政府は、新たなコロナ対策法案を承認する準備を行なっており、数兆ドル規模のドルの追加発行を認める可能性がある。これは、米ドルが他の資産や通貨に対し徐々に下落を続け、投資家は代替資産や、仮想通貨のような今までのタイプとは異なる資産を求め、投資することになることを意味している。