単なる偶然ではない
週明け、世界で最も人気ある暗号通貨、ビットコインの為替レートが僅か1日で12%の上昇を見せた。これを、暗号通貨市場のボラティリティの大きさに起因する偶然と名付けることはできない。
ちょうどその時、米国トランプ大統領が、対中国の新たな関税の導入を発表したことを受けて、中国元は心理的に重要なポイントである1ドル7元を超えた。主にドルで換算されるビットコインと、中国元との関連はどこにあるのだろうと思うかもしれない。しかし中国は依然として世界のビットコインマイニング(採掘)の中心地なのだ。中国ではイニシャルコインオファリング(ICO、新規仮想通貨公開)と暗号通貨取引は禁止されているが、マイニングは現在も合法である。つまり、暗号通貨の発行とプロセシングの大半は中国で行われていることになる。他の多くの国と同様、中国では暗号通貨は法的決裁通貨と認められていないが、先日も杭州裁判所が認めたように、暗号通貨は法的デジタル資産とみなされている。
ドル離れ
しかしもちろん、中国元のみが暗号通貨の人気に影響を与えているわけではない。従来の金融市場が不安定なこと、また主要な国際通貨である米国ドルへの信頼が弱まったことも、世界中の投資家が暗号通貨運用に転換する一因なのである。
中国人民大学重阳金融研究院の刘英研究員は、スプートニクのインタビューに応え、これは堅実的な傾向であるとコメントした。
「ビットコインだけでなく、リブラや他のデジタル通貨も、新たな金融技術が発展しているという明確な傾向なのです。現在、世界の多くの国でビットコインは法的決裁通貨ではありません。それでも仮想通貨へ投資することにより、ドル依存を軽減することができます」。
以前スプートニクが専門家に取材した際、ビットコインの価格は上昇を続け、年末には15,000ドルまで上がるだろう、との見解を得ていた。