与党自民党のルール形成戦略議員連盟の会長で元経済再生担当相の甘利明氏は、若者に人気のアプリがインテリジェンス(諜報)ツールとして利用される危険性があることをしっかり精査していくと語り、ユーザーにリスクを理解してもらう必要があると述べた。毎日新聞が甘利氏の言葉を引用して伝えた。ルール形成戦略議員連盟は9月にも政府に提言を行う予定だ。
今年4月までにTikTokは世界中で20億回ダウンロードされた。調査会社App Annieによると、日本では7月29日時点でTikTokがiOSショップの娯楽アプリ第3位となっている。
TikTokのほかにも、中国とビジネスをする日本人や日本企業は中国のコミュニケーションアプリWeChatを活用している。
米国ではMicrosoft社がTikTokの米国事業買収の意向を示しており、すでに交渉が行われている。買収額は500億ドルで、すべての法的手続は9月半ばには失効する約束だ。
6月末、国家安全保障の脅威という口実のもと、TikTokと中国発の58のアプリがインドで禁止された。まさに6月に中国との国境地帯で軍事衝突が発生し、双方に死者が出た後のことである。米国ではマスコミがTikTokによるサイバーセキュリティの脅威をすでに3月初旬には報じていたものの、アプリ禁止の可能性に言及されるようになったのは、中国政府へのデータ引渡しを規定した香港国家安全法を中国政府が採択した後のことである。日本とオーストラリアには近年中国との激しい対立はなく、貿易経済関係もかなり緊密だったものの、中国に対する信用度は極めて低い。
サイバーセキュリティ分野の独立系専門家のデニス・ザヴィヤロフ氏は、TikTokがユーザーを大量監視しているとは考えにくいが、そのような疑惑にも根拠がないわけではないと言う。「このような疑惑は昨日今日に生まれたものではありません。人気ニュースサイトRedditのディレクターで共同設立者のスティーブ・ハフマン氏は半年も前からTikTokはスパイ・プログラムだとして、携帯電話にインストールしないように呼びかけていました。
ByteDanceがネガティブなイメージを払拭できるかどうかは、時が教えてくれる。一方でTikTokはつい最近まで世界で最も成長著しいアプリだと考えられていた。2019年の収益は30億ドルで、アクティブユーザー数は8億人にのぼっている。