検察は今回の爆発事件を受けて25人の当局者を起訴した。そのうち19人については身柄を拘束している。ベイルート港湾局のトップ、ハサン・コレイテム所長に加え、税関局のバルディ・ダヘル局長、加えて前任のシャフィク・メリイ元局長も拘束されている。
いずれも杜撰な管理体制により今回の爆発事件を引き起こしたとして起訴された。
ベイルート港湾局のコレイテム所長によれば、これまで港湾局側は港に危険物質が保管されていることを把握しつつも、その危険性については確認が行き届いていなかったという。また、2014年以降、港に危険物質が保管されていることを裁判所にたびたび報告してきたものの、その後の対応に関する指令などは特になかったという。
4日、ベイルートの港で大規模な爆発が発生し、その際に生じた爆風が街を襲った。この爆風で4万棟以上の建物が被災したほか、20万戸以上のマンションで窓ガラスが割れるなどの被害があった。最新情報によると、170人以上が死亡したほか、6000人近くが負傷した。ベイルート港では硝酸アンモニウム2,750 トンが6年間にわたって安全対策を施されないまま貯蔵されており、今回の爆発を引き起こしたと見られている。
その後、数千人が反政府デモに参加し、政府の退陣や改革を要求した。デモは大規模な衝突に発展し、デモ隊は4つの政府庁舎と銀行協会のビルを占拠した。内務省は、治安機関職員1人が死亡したと発表した。抗議活動を受けて内閣は総辞職した。