国立原子力研究大学核物理学技術研究所のゲオルギー・チホミロフ副所長によれば、国立原子力研究大学の研究者らは、東京工業大学と東京都立大学の専門家らと共同で、炉心溶融物の放射線および核の特性を把握する技術とその方法論について研究を進めることになる。
リア・ノーヴォスチ通信からの取材に対し、副所長は、「炉心溶融物とは、原子力発電所で深刻な事故が発生したときに、原子炉の炉心融解によって作られる生成物。共同プロジェクトの枠内での作業は2020年12月までとなっているが、国立原子力研究大学と日本の2つの大学は共同研究における協力を継続する予定だ」と述べた。
プロジェクトの参加者らはすでに学術文献の分析を終え、先行技術調査も完了している。また福島第一原子力発電所の炉心溶融物および燃料デブリの組成や形状に関するデータ収集を行い、溶融物の一部の幾何学モデルを作り、炉心溶融物の詳細なシミュレーションを実現した。
研究者らによれば、得られた結果は、炉心溶融物断片の放射能の特性を把握する方法論を完成させ、移送や保管のために特別なコンテナに入れる際の核や放射能の安全性を根拠づけるのに役立つという。
国立原子力研究大学は1993年から東京工業大学と協力関係にあり、共同研究を行ったり、各大学の学生や大学院生のための国際的な研修などを実施している。
今回の研究はロシア連邦科学・高等教育省からの助成金を受け、「福島第一原子力発電所のデータに基づく原子力施設の稼働停止における核と放射能の安全保障技術の確立」プロジェクトの枠内で行われている。
アラブ世界初の原子力発電所がアラブ首長国連邦で運転されたというスプートニクのニュースはこちらから。
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