ロシア開発のコロナワクチン第3相試験に5万5000人が応募 研究出資基金

新型コロナウイルスのワクチン「スプートニクⅤ」を開発したモスクワではわずか2週間で登録後の臨床試験(第3相試験)を行うために必要な人数を超える5万5000人の被験者がすでに集まった。ワクチン開発に出資しているロシア直接投資基金のキリル・ドミトリエフ総裁によると、第3相試験には18歳以上(年齢制限の上限はない)の被験者4万人が参加する。
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同基金のドミトリエフ総裁は予定を上回る被験者の応募が進んだ理由について、次のように語っている。

ロシアの新型コロナ用ワクチン「スプートニクV」に関するQ&A
「人数がスピーディーに集まったのは、ロシア製ワクチンがベースにし、様々な国の専門家らが何度も実験を行ってきた人間のアデノウイルスベクターを用いたプラットフォームの安全性、有効性をボランティアが理解したからです。250回を超える臨床試験が行われ、人間のアデノウイルスをベースにしたワクチン、薬剤の安全性を確証する発表も世界に75件以上も表されました。専門家らによって、人間のアデノウイルスベクターのプラットフォームが深刻な副作用を引き起こさないことが証明されたのです。」

ドミトリエフ総裁は、ガマレヤ国立疫学微生物研究センターのワクチン開発者の選んだプラットフォームについて、発ガン効果と生殖機能への影響の長期的研究が欠如している、チンパンジーのアデノウイルスやメッセンジャーRNA(mRNA)をベースとした新しいベクターワクチン技術に比べると有益な点で異なると指摘している。

医学誌「ランセット」がロシア開発コロナワクチンの治験結果を掲載
メッセンジャーRNA技術(長期的研究が進んでいない)を使用している米ファイザー社、米モデルナ社はワクチンの第3相試験の実施のためのボランティアの募集を4月末と7月末にかけているにも拘らず、必要な3万人の被験者を未だに集めることができていない。

チンパンジーのアデノウイルスをベースにしたベクターワクチンを開発したアストラゼネカ社は2か月で3万人の被験者を集めようと計画している。

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