フィギュア特集

今年の主なカムバック:メドベージェワ、再びトゥトベリーゼ氏のもとへ

フィギュアスケートの今シーズンはオリンピックも開催されず、さらに新型コロナウイルスの影響でほとんど国際大会が中止となったため、興味深い話題は期待されていなかった。しかし、この新型コロナ流行下でもロシアのフィギュアスケート界が注目を集めた。最初にアレクサンドラ・トルソワとアリョーナ・コストルナヤがコーチのエテリ・トゥトベリーゼ氏のチームからエフゲニー・プルシェンコ氏のアカデミーに移籍、次にアリーナ・ザギトワがロシア代表チームのテスト演技と国内大会「ロシア・カップ」への出場を辞退した。そして最新ニュースがフィギュアスケートファンに決定的な衝撃を与えた。エフゲニア・メドベージェワが彼女を世界選手権優勝、そして2018年のオリンピック銀メダルに導いたエテリ・トゥトベリーゼ氏のもとに戻るというのだ。
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2018年の平昌オリンピックで同門のアリーナ・ザギトワに屈辱的な敗北を喫したメドベージェワは、トゥトベリーゼ氏のもとを去り、新コーチのブライアン・オーサー氏に師事するためカナダに移住した。その後もメドベージェワはロシア代表選手として滑り続けたが、故郷を離れたため厳しい批判にさらされた...

ヘイトの世界チャンピオン

一部のファンはカナダへの移住は裏切り行為だとしてメドベージェワを非難した。またトゥトベリーゼ氏がインタビューで語った元教え子・メドベージェワに関する辛辣なコメントがファンたちの怒りを更に煽った。メドベージェワは別れの際に花束を贈ることさえしなかった(ロシアでは教師に花束を贈って感謝するのが通例)というトゥトベリーゼ氏の言葉は、フィギュアスケート界の名言となった。

またメドベージェワの大会での成績もSNS上でのヘイトスピーチ(憎悪表現)の原因の1つとなった。ブライアン・オーサー氏のもとに移った後、メドベージェワが表彰台で1位に立つことができたのは「上海トロフィー」の1度だけだった。2019年の世界選手権はトゥトベリーゼ氏の教え子のザギトワとエリザベート・トゥルシンバエワに敗れて3位に終わり、ISUグランプリファイナルには出場することさえできなかった。グランプリファイナルと欧州選手権の表彰台は、当時トゥトベリーゼ氏に師事していたコストルナヤ、アンナ・シェルバコワ、トルソワの3人が独占した。ジャンプなどが失敗するたびに、トゥトベリーゼ氏がいなければメドベージェワは過去のように再び勝利することはできないとする意地悪なコメントがSNSに溢れた。この間、メドベージェワとトゥトベリーゼ氏の関係は冷え切ったままだった。2人が非常に温かく、誠実な関係にあるように見えた師弟関係の時とは対照的だった。

メドベージェワは「新しい体をつくる」ことや、ライフスタイルの変更について自ら語った。メドベージェワは体調回復や休息のための時間を多くとるようになったという。

タラソワコーチ メドベージェワ選手のトゥトベリーゼ門復帰は「唯一の正しい解決策」
なお熱心なファンたちは、一時的に不調に陥ったメドベージェワを応援し続けた。例えば、モスクワで9月12、13日に行われたロシア代表のテスト演技ではメドベージェワのために13メートルの応援バナーを用意した。そこには「ジェーニャ(メドベージェワの愛称)を止めることはできない」と書かれていた。ロシア功労コーチのタチアナ・タラソワ氏などの専門家たちも、メドベージェワへの信頼を繰り返し表した。新型コロナウイルスの影響で練習拠点のカナダへ入国できなかったメドベージェワは、モスクワでタラソワ氏の指導を受けて練習していた。カナダにいるオーサー氏とはオンラインでやりとりしていた。

ファンの夢は叶うのか?

メドベージェワはカナダでの練習について歓喜に満ちた発言をしていたが、それでも一部のファンはメドベージェワとトゥトベリーゼ氏の師弟関係復活にわずかな希望を抱いていた。そして再びその希望が湧き上がった。シーズン中にメディアで互いに批判し合っていたタラソワ氏とトゥトベリーゼ氏が、モスクワのテスト演技で2ショット写真を撮った。さらにトゥトベリーゼ氏はメドベージェワの演技に拍手をおくったのだ。これは互いに対立するファンたちを混乱に陥らせ、SNSでは思いもよらない説がささやかれ始めた。

インスタグラムには、メドベージェワがトゥトベリーゼ氏のもとで練習していた頃の写真や動画を公開しているファンアカウントが残っていた。フィギュアスケートの競技後に選手とコーチが採点結果の発表を待つためのスペース「キス・アンド・クライ」での数多くの写真や動画から、トゥトベリーゼ氏がメドベージェワの勝利をどれほど喜び、またメドベージェワがトゥトベリーゼ氏とどのように行動を共にしていたかがわかる。ファンたちは、その後トゥトベリーゼ氏は他の教え子たちとこのような温かい関係を持ったことはなかったと指摘している。

「みんなは、トゥトベリーゼの顔つきがよく集中して、 シリアスなのに気づいたかい? でもいつもこうだったわけじゃないんだよ。この小さな女の子( メドベージェワ)には彼女を大声で笑わせることができたんだ」 

「質問:トゥトベリーゼがジェーニャと同じように目を向けていた教え子は誰?答え:誰もいない」

メドベージェワがトゥトベリーゼ氏のもとへ戻ったのは、オリンピックへのエントリー?

これまでのところ、トゥトベリーゼ氏側もメドベージェワも師弟関係復活を正式に認めるコメントは発表していないが、権威筋はメドベージェワがトゥトベリーゼ氏のもとへ戻り、すでに今日にも最初の練習を始めると主張している。

メドベージェワとトゥトベリーゼ氏は再び成功を収め、2022年冬季オリンピックで前回を上回る結果を出すことができるのだろうか?またトゥトベリーゼ氏の若い教え子たちが再びメドベージェワの前に立ちはだかることはないのだろうか?答えは待つしかない。通信社スプートニクは、これからもフィギュアスケート関連のニュースをお届けしてまいります。

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