18年前の今日、巨大な火球が地球に衝突 次の落下は危険か?

大気圏からは毎年30個ほどの小惑星が地球へ向かって落下する。だがその大部分は大気圏の厚い空気の層を通過する段階で燃え尽きてしまい、地球の地表には到達しない。だが今から18年前、極めて珍しい現象が起きた。シベリア、イルクーツク州に巨大な小惑星が落下したのだ。落下地点から半径2万キロの範囲で大地震さながらの衝撃が感じられた。小惑星は危険視すべきものなのか、1つでも肉眼でとらえることは可能なのだろうか。これについてスプートニクの記事をお読みください。
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小惑星の誕生日

今から18年前の2002年9月25日、イルクーツク州のタイガ地帯を流れるヴィティム川の流域に小惑星が落下した。ロシアではこれは「ヴィティムの小惑星」(日本では「シベリアの火球」)と呼ばれている。ロシアのタイガ地帯に落下した天体としては、これはサイズも衝撃による破壊力もツングースカの大爆発に続く大きさだ。ママ居住区から60 キロ離れた落下地点の森林では面積100平方キロメートルほどに渡って樹木が倒壊、焼失しており、隕石の破片が散らばっていた。

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小惑星は爆発の際に火球となって爆音を轟かした。一瞬、空を照らしたその激しい閃光は150キロ離れた場所からでも見えた。地表と衝突した瞬間、大地震を思わせる衝撃が2万平方キロの範囲で感じられた。小惑星は人間の居住する場所から離れた地点に落下したため、これによる人的被害は出なかった。

2013年2月13にち、ロシアの領土にそれよりもさらに巨大な小惑星が落下した。チェリャービンスク州の隕石落下だ。NASAの試算では、地球に落下した隕石としてはチェリャービンスクの隕石はツングースカ大爆発に続く巨大なサイズであったとされている。チェリャービンスクの上空23キロの地点で爆発した小惑星は、瞬間的に地球の周囲を2度回るほどの激しい衝撃波を起こした。小惑星は爆発までの段階で重さ1万トン、直径は17メートルだったが、爆発後は粉々の破片に散らばり、その中でも最大の欠けらの重さは0.5トンだった。この爆発では1615人の怪我人が出た。その大多数が衝撃によって割れた窓ガラスによる怪我で、他に建物も衝撃波によって損壊した。


未だに解けない巨大小惑星の謎

地球に落下した小惑星で最も有名なケースに数えられるのが1908年、東シベリア上空5-7キロの地点で爆発した「ツングースカ大爆発」だ。この衝撃でポドカメンナヤ・ツングースカ川付近では2000平方キロメートルを超える範囲で樹木がなぎ倒された。

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爆発の威力はTNT火薬換算で10-40メガトンとされている。これは1945年広島に投下された原子力爆弾を2000個集めたに等しい破壊力だ。衝撃波は地球を瞬時に2周し、空には数夜にわたって明るい閃光が残った。激しい磁気嵐が5時間にわたって吹き荒れた後は、激変が待っていた。落下後の一昼夜は北半球全体で、夕刻の空がいつにない色合いで妙に明るい、明るい夜空、明るく、銀色味を帯びた雲、日中の光学的効果など奇妙な大気現象が観測されている。未曾有の大規模なカタストロフィーであったにもかかわらず、学者らは結局、一体何が起きたのかを解明できなかった。


今まさに落下する小惑星を科学は予言できるか?

現在、地球に接近するすべての天体を追跡する実験室、センターは数多く存在している。NASAの後援する地球近傍天体用センター(Center for Near Earth Objects Studies)はインターネット上でオンライン体制で接近する天体に関する情報を流している。

マスコミ報道でも地球に巨大な小惑星が接近というニュースは割合頻繁に現れているが、だからといっていちいち怖がる必要はない。その大半は地球に接近するということであり、地表と衝突するわけではないからだ。

小惑星の大半は接近が予期できるが、例外もある。たとえばチェリャービンスク州の隕石は、動きの性格が特殊であったためにロシアの地上設備も外国の機器も捉えてはいなかった。ロシア宇宙国営会社の「ロスコスモス」のサイトには「こうした種類の天体の大気圏突入は偶然であり、現在はまだ予測が難しい」と書かれている。

大都市への小惑星の落下の確率はどれくらいなのだろうか。これについてロシアのシュテルンベルク天文研究所、銀河および変光星研究部の上級研究員ウラジーミル・スルディン氏はRBK紙からの取材に次のように語っている。

「小惑星は非常に小さく、遠くからでは全く見えない。ところが地球まで飛んできた時には、その接近を予測しても手遅れだ。小惑星の大きさが小さければ小さいほど、落下確率は高くなる。1メートルほどの大きさのものは1年に1度くらい落下しているが、基本的に世界海洋に突入している。それは世界海洋の面積の方が陸地より遥かに大きいからだ。陸地に落ちたとしても砂漠かタイガで、人口密度の高い都市に落ちるようなことはこの先200年くらいはないだろう。」

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