先に仏紙フィガロは、事件の犯人がチェチェン系の男(18)だったと報じた。
報道を受けてチェチェン共和国のカディロフ首長は声明を発表し、「テロ行為を批判し、遺族に哀悼の意を表す」と記した。それと同時にカディロフ首長は「犯罪行為に国籍はない」とし、チェチェン共和国そのものに批判が及ぶことをけん制した。
射殺されたチェチェン系の容疑者はフランスで育っており、事件そのものにチェチェン共和国は関与していないとした。また、あらゆる形態のテロを批判するとしつつ、宗教心を傷つけ、信者の反感を意図的に煽るような行為を控えるよう訴えた。殺害された教師は言論の自由を扱った授業でイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を見せていた。
検察のテロ対策部門によると、容疑者の年齢は18歳で、名前はアブドウラフ・アンゾロフ、モスクワ生まれでチェチェン系。男は2008年、フランスに難民として家族で移住していた。
容疑者は過激主義者のリストには載っていなかったが、パリ北部エラニーのギャングのメンバーで、このギャングのメンバーの1人はイスラム教徒だったという。
16日午後、パリ郊外コンフランサントノリヌの中学校近くの路上で、男性教師が首を切断されて死亡する事件が起こった。
容疑者は隣接するエラニーで警官に射殺された。検察のテロ対策部門が殺人事件の捜査に加わり、事件への関連でこれまでに9人の容疑者を逮捕した。
パリでは9月下旬、風刺週刊紙シャルリー・エブドの元本社前で、パキスタン人の男が2人を刺傷する事件が発生したばかり。男は同紙による預言者ムハンマドの風刺画掲載に対する報復として犯行に及んだと見られている。