日本行きの航空便は週3便。モスクワー東京便が2便、ウラジオストクー東京便が1便である。観光会社「TUIロシア」のモスクワ、 アレクセーエフスカヤ事務所のエカテリーナ・シュワロワ社長は、観光客として日本を訪問する計画を立てるのはまだ時期尚早だと指摘する。
「わたしたちは実際、セルビアとキューバ向けの航空便を使ったツアープログラムの準備を始めています。ただ日本については、弊社本部から、観光目的でのロシア人の旅行は現段階ではまだ計画されていないという通達を受け取っています」。
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、日本への入国ヴィザは、公務を目的としたもの、または日本に在住する人の家族にしか発給されておらず、今のところ、観光客はこの範疇に含まれない。
一方、日本政府指導部は、予定されている東京五輪を開催する意向であり、スポーツ選手や観光客の安全を守るため、あらゆる感染防止対策を講じている。
しかし、ロシアの旅行業界にとって、日本向けのツアーが停止している今の状況はそれほど深刻なものなのだろうか?
ツアーオペレーター「ガウディ・ツアー」のエヴゲーニーさんは、コロナをめぐる状況が春には落ち着くよう期待していると話す。「この時期は、ロシア人観光客が日本への旅行を計画するのにもっとも人気があるのです。ロシア人にとって日本は桜の国というイメージがあるからです。 普通、ロシア人観光客は東京に数日滞在し、あとは必ず京都を訪れます。と言っても、日本行きの旅行の需要は、コロナ以前も、ヨーロッパ行きよりははるかに少ないものでした。その理由は何より、費用がかかるからです。日本を旅行先に選ぶ人の平均年齢は35歳です。これは偶然選んだものではなく、この国が好きで、多くのことを知っていて、意識的にこのツアーを選んでいるという感じがします」。
一方、エヴゲーニーさんはもし東京五輪が本当に開催されれば、観光客の関心も高まるだろうと見ている。またコロナウイルスが収束すれば、日本行き旅行に対する需要は大々的に増加するだろうとの見方を示している。